投稿者「carks-hitorigoto」のアーカイブ

No.207 これからのリーダーの要件と任命

世の中は、コロナ一色ですね。(2020.3.25 現在)
状況の厳しさは続き、現時点で、私にはこの先は見えていません。
とコンサルタントが言うのもどうか、とは思いますが、、、
正直なところ、提案できる有効な策がまだ思い浮かんでいません。

「コロナショックに耐えて、必ず生き残る」
すべての会社が考えていることです。

本件については、有効なアイデア・対策がまとまりましたら、あらためて発信します。


さて、話は大きく変わりますが、
今回のブログはリーダーの話です。

■ 私が真のリーダーだと思う人たち

おそらく、求めるリーダー像は人によってだいぶ異なるとは思いますが、
私がリーダーの手本だと考えている(尊敬している)人は以下です。


〇 藤沢武夫(本田宗一郎を支えた名経営者)
「モノ作りは本田、カネの工面は藤沢」と言われ、陰からホンダの経営危機を救ったこともある。
この人無くしては、現在のホンダは存在していない。
本田宗一郎と同時に経営から退き、当時は「最高の引き際」「爽やか引退」と言われた。


〇 柳井正(ユニクロ現会長)
広島の小さな洋品店の二代目から始め、第二創業で現在のユニクロをつくった。
高度経済成長期ではなく、競争が激しい経営環境下の中で、一代でユニクロの経営システムを築き上げたのはすごい。
いまだに経営の実権を握っているのは、賛否があるとは思われる(後継者問題)


〇 中曽根康弘(日米親和を進めた総理大臣)
アメリカのパートナーとして日本を対等な立場に引き上げ、日米の真の親和を進めた。
当時の米大統領ロナルドレーガンとは「ロン・ヤス」の愛称で呼び合うほどの関係を築いた。
この人の在任時の期間、日本人は自信と自負を持って仕事をしていたと記憶している。
個人的には、歴代総理大臣で最高の人物だと思っている。


〇 フランツ・ベッケンバウアー(サッカー/元ドイツ代表主将)
「リベロ」というポジションを確立し「皇帝」の異名を持つ。ドイツ歴代最高選手の一人。
ドイツを欧州選手権制覇・W杯制覇へ導いた。引退後はサッカー界の要職を歴任。
※詳しくはコチラ 「サッカー選手名鑑②フランツ・ベッケンバウアー」


政治・ビジネス・スポーツと多岐に渡りますが、
「自分が考えるリーダーの本質」では同じモノを持つ人たちだと思っています。

 

■ リーダーとは何なのか

一般論では「リーダーとは人を導く人」です。
会社の研修のときには「リーダーとは、目標達成のために人を導く人」と説明しています。
職場レベルでは「率先して仕事をする人、もしくは、仕事の可否・判断によりスタッフに仕事をさせる人」です。
リーダーの存在有無で、仕事の進み方は大きく変わります。

私の考える真のリーダーとは
「厳しい難局を打開し、新たな道を創る人」です。
それができる人が会社や組織の道筋を良きモノに変えていくと考えています。

※参考)管理職(マネージャー)は「目標達成のために、ヒト・モノ・カネ・情報を活用し、成果を上げる人」です。

■ リーダーに求められる3つの要件

リーダーには「3つの要件」が求められると考えています。
それが、あるか、無いか、でリーダーのモノゴトへのアプローチとパフォーマンスは大きく異なります。


〇リーダーシップ
リーダーシップがあるか、無いか、これはよく問われることです。
上の説明でいくと、リーダーシップとは「目標達成のために人を導くこと」を指します。
「率先して行動し、人を統率すること」が求めれらます。


〇フォロワーシップ
他者に仕事を任せて、すべて上手くいく。
これならばまったく問題無いのですが、なかなかその通りにはいきません。
仕事を完了させるには、必ずリーダーのフォロー・サポートが必要になります。
フォロワーシップは「仕事を任せた人が完了できるよう、リーダーが適切なフォローを行う」ことです。


〇パートナーシップ
現在の仕事は複雑・多岐に渡り、様々な部署が関連して成立しています。
各部署の役割・責任の範囲も明確にされ、部署単位の業務効率も上がっています。
ただその一方で、個々へ役割責任を求め過ぎるあまり、
「自身の役割・責任の範囲までしか仕事をやらない」「部署間の連携レベルが低下する」
という弊害が目立つようになりました。その弊害には「成果主義・個人主義」が大きく影響していると考えています。
パートナーシップは「人の関係性・親和性をつくり、仕事を円滑に進めること」です。
これからも「人のつながりで仕事をする」ということが非常に大事です。
リーダーにもその考え方は必須であり、パートナーシップはあらためて磨き直さければいけないことです。


■ これからのリーダーに求められること

「リーダーシップの重要性」は、どの会社でも教えていることです。
リーダーシップは「組織を統制しリードするという考え方」が主です。
しかし、その考え方・一辺倒では、これからのリーダーはやっていけません。
会社の内外の環境は大きく変わっています。
働き方改革では、残業規制・待遇の是正など、経営に大きなインパクトを与えています。人のマネジメント上で制約が増えています。
更に、管理職・監督職の世代交代(ベビーブーム世代から後進世代)が控えており、業務の継承をより早く進めていくことになります。
会社側が、これまでの型通りのリーダーの任命のやり方では、
会社のマネジメント機能が滞ったり、なりよりも要件不足で任命されたリーダー本人が困ることになるでしょう。
これからは、上記3つの要件で示したとおり、
「フォロワーシップ」「パートナーシップ」の重要度がより増していくと考えています。

■ リーダーの任命が会社の未来への道筋を決める

〇 要件を満たしている人をキチンと選び、リーダーに任命する
〇 要件不足なら、事前準備と教育で補う

2者択一での選択が求められます。

会社に求める人材すべてが揃っていることはあり得ません。
採用・教育・評価で求める人材に変えていく
それが人を活かすための経営努力の真髄です。

上記の措置を計画的に進めることができる会社は、今後も永続できると考えています。

株式会社シーアークス HP
リーダー育成プログラム

No.206 会社における『知の継承』

■ 知の継承とは

会社において「知の継承」は大きなテーマです。
ここでいう「知」とは、

(1)会社の文化・習慣(良いモノ)
(2)会社の価値をつくる固有の知識・情報・ノウハウ
(3)会社を運営するための固有の方法

を指します。その「知」を次の世代に上手く継承していくことで、会社は永続発展していくことができます。

■ 知識・ノウハウの伝達(継承)における問題点

 これまでは、一つの会社に長く勤め上司や先輩の背中を見て仕事の仕方を学ぶということが一般的でした。1社で勤めあげるという前提があるからこそ、長期的な期間で知識や経験を共有するという方法が成立していました。

 ただ、人材の流動化・多様化が進み、経営スピードが速くなった現代において、このような従来型の企業文化や知識の共有方法に限界が来ています。
情報の伝達やコミュニケーションは、“小さな規模の組織・同一メンバー間のまま”なら、比較的・容易に進みます。
しかしながら、組織規模の拡大や人事異動・世代交代など組織上の変化があると、コミュニケーションの齟齬(そご)や業務上の障害が発生しやすくなります。
「人から人へ伝えられ(=継承され)、企業内に蓄積されるべき価値ある情報」が、表に出てこなくなるケースが増えてきています。
それに加え、競合関係の複雑化、扱う製品・サービスの増加、顧客・販売ルートの多様化などにより、企業で扱う情報の質・量・スピードは変化(増加)しています。対応力がある会社は生き残り、そうでない会社は淘汰されます。

「いかに情報を集め、スムーズに仕事を進め、成果を出すか」 は企業にとって大きな課題ですが、それに反して 「情報を活かすための 組織の基盤(組織力・人材力・仕組み)が低下している」 というのが現実です。

■「知の継承」が進まない その根本原因 ~伝える側の思い込みと現場の真実~

「知の継承」が進まない根本原因を考えると、そこには「伝える側の誤解(思い込み)」「現場の真実(本当の問題点=障害)」があります。

(1)経験を積めば知の継承が出来る(だろう)
誰でも教えれば習得できる(だろう)

〔現場の真実〕
① 類似経験がないと内容を理解するのに時間がかかる
② 正しく伝わったかどうか、判断が難しい

(2)熟練者(伝承者)は、積極的に知の継承を支援・協力してくれる(だろう)
〔現場の真実〕
① 省人化・業務効率化の影響で、熟練者に若手を育成する時間が確保できない
(情報も蓄積されていない)
② 熟練者は暗黙知を言語化し、適切に教える方法を知らない

(3)若手(継承者)は、意欲的に知見・ノウハウを吸収する(自分のためなら、、、やるだろう)
〔現場の真実〕
① 当人は「何が本当に必要なのか」が、実は分かっていない。
② 当人は「教えられて当然」という感覚で受身の姿勢が多い。

(4)仕組み(データベース、業務マニュアル)を作れば、後はうまくいく(だろう)
〔現場の真実〕
① 仕組みを作っただけでは情報蓄積も不十分で利活用もうまく進まない。
② 継承に必要な情報は個人毎に異なる

(5)職場は、知の継承の取り組みを理解し、サポートしてくれる(だろう)
〔現場の真実〕
① 継承より、職場の業務遂行を優先させる (上司が最大の阻害要因になってしまう)
② 能力主義による保身が働き、十分な指導が実施されない(知の継承が停滞する)

■ ナレッジマネジメントを進める

ナレッジマネジメント とは、
「企業や従業員個人が蓄積してきた経験や知識・情報を明らかにし、企業全体で共有・可視化(見える化)することで、企業の力を高めていく経営手法」 のことを指します。

単なる情報管理とは異なり、効果的に知識・情報を収集することで、それを「会社の価値情報(ナレッジ)」と再定義し、知恵(新たなノウハウ)に変えていくことが目的です。

ナレッジマネジメントでは、以下を進めていきます。


(1)自社にとって価値を生む、必要とされる知識・情報を再定義する

(2)その知識・情報を可視化(見える化)する

(3)知識・情報を蓄積する仕組みをつくる

(4)知的情報として活用する

(5)それらすべてをマネジネントし、組織力を向上させる


「価値を生む知識・情報」を再定義・蓄積し、従業員がスムーズに活用できるようにすることで、企業の競争力を高める効果が期待できます。

■ ナレッジマネジメントの成果物


(1)業務の内容に応じて「知識を形式化することのメリット」を明確にする

(2)「手順」と「判断基準」にわけて業務内容を分析し、当人も意識していない重要な行動や姿勢を発見する

(3)特定の個人が持つ知識を形にすることで、「属人化の防止」と「知識・情報の継承」につなげる

(4)形式化した知識をもとに業務マニュアルを作成し「新たな知識・ノウハウの創出」を狙い、データベースなどで更新を行う


これからも勝ち残るため、会社における「知の継承」は生命線であり、会社の価値を高めていくための最重要キーワードです。

株式会社シーアークス HP
ナレッジマネジメント研修

No.205 労働力減少と業務改革

■ 日本の人口と労働力の現状 

世の中は、少子高齢化・労働人口減少の真っ只中です。

2015年調査時点の日本の総人口は 1億2,709万人、労働人口は 6,440万人(総人口の 50.6%)です。
※ 直近2019年の総人口 1億2,470万人(2018年比 43万人減)
10年連続で人口減少中。今後も続く。

2040年予測では、総人口 1億1,374万人、労働人口 5,245万人(総人口の 46.1%)、2015年の労働人口から1,195万人(18.5%減)も減少する見通しです。
2015年と2040年を比較すると「総人口減少数(1,335万人減) ≒ 労働人口減少数(1,195万人減)」であることから「労働力のみ消失する」ということが言えます。

総人口は、2048年には1億人を下回る予測です。
(2048年 総人口予測 9,931万人)

そうなった段階の労働事情を予想すると、
「必要な場所・仕事に必要な人を配置する」ことは、ほぼできなくなっていると思われます。
現在においても、働き手の不足、採用難で苦しむ会社が多くなっていますが、実数を見れば、それも当然の流れであることが分かります。なかなか厳しいですね。。。

■ 会社の業務の問題 

ここで、会社の仕事に目を向けていきます。

企業では「全社の固定費の内、管理部門・管理業務のウェイトをいかに下げるか」は、企業全体の収益性向上のためには必須テーマです。

それらの改善を進める上で焦点となるテーマは、

①業務改善・業務効率の向上
②少人化(配置)
③業務の継承

などです。

しかしながら、
もし、いまの業務のやり方・配置人数の前提のままで、少人化・業務改善をやろうものなら「業務サイクルそのものが破綻してしまう」懸念があります。

何故ならば、
①管理・処理ポイントの増加=業務処理の複雑化
②既にギリギリの人数で業務を回している
という問題があり、実は「改善の余力が無い」というのが現実であるからです。
特に、中小企業では、
・元々が少人数の運営でやっている
・効率化させるシステムに投資する資金が無い
という理由で「改善したくてもできない」というのが本音だと思います。

また、業務処理部門では「長期的に特定スタッフに依存→属人化=暗黙知化」しているケースがよく見られます。暗黙知のままだと、将来的な「業務の継承」にも停滞が予想されます。

その特定スタッフの業務処理の特徴・傾向をみると、
「固有の業務範囲 × 固有の処理方法 × 固有スキル × 固有パフォーマンス」で成り立っているケースが多く見られます。

簡単に言えば、
・その人のやり方が特徴的であるため、他の人には真似できない
(長い時間をかければ習得できる、かもしれない)
・その人が頑張ってやっているだけ。それでやっと成り立っている
(広範囲、長時間勤務、長期間従事)
・”それらが現実だ”との理由で、担当交代ができないでいる
(思い込みのケースもあり、実際はできるかもしれない)
ということです。

「固有の○○」であること自体が問題であり、同じやり方のまま、新規スタッフに交代しても求める結果を出せるか、は疑問です。

■ 業務改革と世の中の流れ

これらの予測・課題を踏まえると、働き手の減少が加速する中で
「これまでの前提条件を変えて人材活用していく」という発想で
先手で対策を打っていくことが求められます。

「これまでの前提条件(これまでの配置基準・業務基準)があり、同じような人員配置は難しい」
と結論づけるのではなく、
「前提条件を変えて(業務そのものの枠組み・方法論を変えて)人員配置する」ことがポイントです。

これを実行しようとすると【業務改革】が必要となります。

参考)業務改善と業務改革の違い
・業務改善:5%程度のコスト改善効果(業務を改善する)
・業務改革:20%以上のコスト改善効果(業務の前提を変える)

最近では、
・小売業のセルフレジ化(スーパーなど)
・GU・ユニクロの自動精算システム(ICタグ活用)
・ガストの24時間営業店舗の廃止+タブレットセルフオーダー
・施設サービスのICカード入店・清算
・コンビニの無人店舗運営の実験(ローソン)
など

顧客との対面対応が業務の基本だったモノが、だいぶ様変わりしてきています。
これらはすべて「少人化・配置→コスト・負荷低減」を前提とした【業務改革】です。
これまでの必要配置数の前提を変える取り組みです。

世の中に【業務改革】=「業務効率化(自動化)・少人化」の波は、確実にきていると感じます。

まだ小売・サービス業が中心ですが、これからは他・業種への導入の拡がりも予想されます。
(製造現場の自動化・少人化 など)

これからも確実に労働力は減少します。この現実からは逃れられません。

しかしながら、【業務改革】の発想で会社を変える、
これは今からでも始めておくべきです。

株式会社シーアークス HP
業務改善コンサルティング

No.204 松下村塾にみる【人材育成の本質】

● 吉田松陰とは?

「松下村塾」で有名な吉田松陰は、個人として優れた功績を残したり、成功を収めたわけではありません。

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今でも、その名を知る人は多いですが、
松陰の生まれ故郷の山口では「高杉晋作の方が有名人、大きな功績を残した人」とされています。

吉田松陰は、
脱藩、密航、暗殺計画、度重なる投獄など、失敗続きの人生。。。

だからと言って、
まったく価値の無い人だったのか、、、
ということではありません。

吉田松陰には、誰にも負けない、最大の功績があります。

それは「優れた後継者を育てたこと」です。


独りの人生において「仕事の成果への評価」として、

カネを残すは【下】、仕事を残すは【中】、
そして、ヒトを残すは【上】 という言葉があります。

※参考まで、
感動を残すは【最上】、と誰かが付け加えていました。


その志を受け継いだ塾生・門下生たちが、幕末から明治維新期に活躍し、日本を変えていきました。

● 松下村塾とは?

松下村塾は、長州・萩の片田舎、小さな私塾から始まりました。
僅か2年の期間でしたが、多くの塾生・門下生を抱えました。

松下村塾が無くなった後も、塾生・門下生は、吉田松陰の教えや日本を変えていくという志を忘れませんでした。

それが、内閣総理大臣2名(伊藤博文、山縣有朋)や、近代日本の礎を築いた明治政府の重役など、多くの人材を輩出していくことになります。

● 吉田松陰の教えと教育方針

松下村塾での吉田松陰の教えと教育方針は、実に生々しく、きめ細かいモノでした。

吉田松陰は入塾希望者に「なぜ学問をしたいのか?」とよく聞いたそうです。

その問いに、門下生だった人の多くは、
「書物が読めないので、稽古して読めるようになりたい」と答えたそうです。

すると松陰は、
「書物なんかは心掛けさえしておれば、実務を覚えるなかで自然と読めるようになる。ただ読めるだけの学者になっては駄目だ。人間、実行が第一である」と伝えていたようです。

吉田松陰は、塾生・門下生たちに対し【実行第一】を頻繁に述べており、「学問とは行動を伴ってこそのモノである」としていました。

「至誠にして動かざるもの未だこれあらざるなし」という孟子の教えを自身の座右の銘としたほどです。

● 松下村塾は僅か2年

吉田松陰が主体となり「松下村塾」で教えていた期間は僅か2年です。
しかも、門下生たちが集まり松下村塾の最盛期と言われた期間は僅か1年だけ。
塾生が集まりだし、塾舎を新たに広くして、正式な「松下村塾」の形になったのは松陰が投獄されるたった1年前のことでした。

つまり、私達が伝え聞いている「松下村塾」とは、門下生たちによる吉田松陰の教え・志をを受け継いできたモノのようです。

それゆえ、長州の萩という辺境の田舎、小規模な私塾から、幕末と明治維新期に多くの人材を輩出したのは、ある意味で【奇跡】と言えます。

● 長所を伸ばし自覚を促す

松陰は人を疑わず、【人の善を見ること】を大切にしていました。

松下村塾の塾生には高杉晋作を筆頭にクセが強く、頑固な一面を持った人々も多くいました。

維新の三傑の一人、桂小五郎(木戸孝允)が高杉晋作の人の話を聞き入れない頑固さに手を焼き、松陰に手紙で「高杉晋作になんとか言ってやって欲しい」と言ったほどです。

しかし松陰は、「その頑固さが高杉晋作の魅力であり、矯正すれば彼の良さが消えてしまう」として逆に桂小五郎をなだめてしまいました。

高杉晋作が入門した当時、その鋭気な性格を評価しつつも学問に弱点があると見抜いた松陰は、高杉晋作が幼き頃から知る仲だった久坂玄瑞をライバルに仕立てあげ、事あるごとに久坂玄瑞を褒めました。

内心面白くなかった高杉晋作は燃えるように学問に励み、みるみるその才能を開花させていった逸話は有名です。

悪い部分は見抜いたとしても、基本的に良い部分をしっかり理解できていれば、それを伸ばすというのが基本的な考えだったようです。

● 参加型の議論と討論

私塾というと、教える側が永遠と眠くなるような説教臭い話を「講義形式」でやることをイメージします。

しかし、松下村塾では集団を相手にする「講義形式」をとることもあれば、また「違った形式」をとることもありました。

基本は「参加型の議論と討論」が中心で、決まったカリキュラムは特になく、それぞれの目的とペースに合わせて進めました。

議論と討論は、最初から活発なモノではなかったようです。

今もそうですが、この時代の若者も、「自分から積極的に話す」という人は少なく、議論は慣れておらず、あまり話さない。
それを物足りないと感じた松陰は工夫を凝らしていったようです。

講義は1対1の形式(塾生対塾生)の形をとることもあれば、一人の塾生が順番で多数の塾生を相手に講義を行ったり、「対策」と称して松陰から出された課題に作文のような形で塾生が提出し、それを添削する方法もありました。

任意の読書や自習の時間もあり、連絡事項があれば壁に貼り付けていたといいます。

高杉晋作が書いた対策(課題提出)が現存しており、その答案用紙は松陰の添削で真っ赤っ赤。
しかも、二人の間を3往復し、最初は「読む気がしない」とまでこき下ろしておきながら、最後にはきっちり「これはまさしく我が国の文」と松陰の大絶賛で締めくくったそうです。

● 共に学ぶ

講義は時間割もなく、登校の義務さえナシ。

テストなし。通信簿のようなものはあったようですが、それほど重要視もされておらず。

塾生が集まると講義が始まる。その講義は塾生同士はもちろん、松陰も加わっての活発な議論が中心。

決して口うるさく注文はつけず、一人ひとりの自主的な参加意識によって維持されていた松下村塾は身分や年令による縦割りの意識、上下関係を一切捨て去り、自由闊達な議論と討論が行われたと言います。

高杉晋作が江戸遊学のときに吉田松陰が佐久間象山宛に紹介文を書いています。そこでは、高杉晋作を「友人」としており、門下生や弟子といった表現は一切使いませんでした。

松下村塾では、教えるのではなく「共に学ぶ」という謙虚な姿勢が大事にされていたようです。

そこには、今にも通じる「学ぶ」本質があるのでは、と考えます。

人材育成の本質は今も同じであり、
「松下村塾の育成システムと工夫」は現代でも十分に参考にできると思います。

株式会社シーアークスHP

No.203 サッカーからみた 強い組織・チームづくり

◼ 競技スポーツの進化はスゴい

競技スポーツは常に進化しています。

オリンピックなどの世界大会では、常に新記録が生まれます。
「この記録は、しばらくは破られないのでは。」という記録も、ある日アッサリと破られたりします。

現在のスポーツでは、人間の動作や試合展開などのデータをコンピューターで解析し「上手くいくための最適な解を導きだす」という科学的な方法論がほとんどのスポーツで導入されています。

以前までの「相手との単純な勝負」ではなく、試合前から研究合戦がスタートします。
その流れで、記録を伸ばすため、勝つための新たな理論が次々と生まれていきます。身体能力強化の効率的なトレーニング方法など、実践できるように常に研究されています。

◼ サッカーの組織・チームづくりを見る

自分はサッカーが好きで、関心を持ち始めた10代の頃からこれまで、サッカーというスポーツの進歩の過程をずっと見続けています。(サッカーは経験者ですが、プレイヤーとしてはダメです。)

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例えば、過去の最強チームが、現在の上位チームと対戦しても、ほぼ相手にならず負けます。
現在の強いチームは、プレッシング・バス効率・ポゼッションの考え方を駆使し「ボール支配率」を上げるなど、高度なレベルで試合をコントロールします。過去の最強チームはおそらく何もできないまま負けることになるでしょう。

それくらい「サッカーの質・レベル」が違います。

サッカーも科学です。
相手を研究しつくし、相手の強みを消す、相手の裏をかく、試合を支配する、など様々なシミュレーションを試合前に行い、チームのフォーメーションや戦い方に反映させます。

サッカーには、「戦術」と「ディシプリン(Discipline)」という言葉があります。
この二つの要素がチームの特徴を決めます。


戦術とは「戦い方」です。

例えば、あるチームの戦術=戦い方として、

●フォーメーションは4・4・2(DF4人、MF4人、FW2人)で、守備を厚くして全体のバランスをとる。
※(他-例)3・5・2 中盤を増やし、試合をコントロールする。サイド攻撃をより強くする。

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●攻撃は相手のサイドを崩すことを重点とする
 試合中、攻め方を絞る。重点でやり続けることで、最後は成功確率の話になる。※ただ攻撃のやり方が偏りすぎると、相手に対応されて無効になっていく。

●守備はゾーンプレスを主とする。
 特定のエリアで複数人数をかけて組織的に守る。相手ボールの際に組織的なプレスにより、パスコースを限定させ、ボール奪取する。

など。


ディシプリン(Discipline)とは、チームとしての「共通理解」あるいは「約束事」です。

チーム戦術を機能させるための「約束事」を緻密かつ具体的に決め、試合内で選手が実践していきます。

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例えば、具体的には、

●フォワードが前線でプレッシャーをかけ、敵陣内てボール奪取、最小回数のバスでボールを動かし、ゴールを狙う。

●相手が速攻をかけてきたら、ボールの出所を3人の守備をかけて潰し、速攻のスピードを遅らせる。

●自陣で相手のボールを奪った後は、必ずワンタッチで回し、素早くリスクを回避する。

など。


サッカーは、「戦術」でチームの戦い方の大きな方向を定め、「ディシプリン(Discipline)=約束事」で機能させるのが、基本プランとなります。
「戦術の適合度」と「約束事の徹底レベル」がサッカーの質・レベルとなり、「勝利という結果」につながるかどうかを左右していきます。
※ただ、相手の戦術が自チームの上をいけば、途端にプランは崩れます。

以上により、チームは「組織化」され、その戦術・約束事のもと、試合は展開していきます。

◼ 会社の組織・チームづくりを見る

コンサルという仕事の視点から、サッカーの「組織・チームづくり」はビジネスの世界に通じるモノがあると考えています。

それは、会社における「組織・チームづくり」と同じです。

もし、会社の組織・チームとして

●機能が低下している
もしくは、
●機能不全に陥っている

が問題になっているならば、

上記の観点で重ね合わせて見ていくと、
「何が欠けているのか」が理解できると思います。

コンサルの経験上、
組織・チームの機能に問題を抱えている会社の場合、

●戦い方(方針)が不明確
●約束事(ルール・規律)が機能していない(もしくは無い)

というパターンが多いです。

それにより結果として、「組織・チームづくりが上手くできていない」ということになります。

ただここが分かれば、

●戦い方(方針)を明確に定め伝える
●約束事(ルール・規律)を見直し、メンバーに徹底させる

という対策をとれば良いということになります。


※補足、会社では、
●戦略 マーケティング・ターゲット、選択と集中
●戦術 戦い方=戦略展開具体策、方針
●戦闘 戦うルール・決まり事=客への具体的な対応
となります。


モノゴトを別の角度・視点から多面的に見ると、これまで見えていなかった事が、ハッキリと、いろいろと、理解できる事が多いです。

「サッカーから見る~」は自分の視点の補強には、意外と役立ってます。※こういう視点は、まだ他にもあります。

株式会社シーアークスHP

No.202 人の能力は掛け算で伸びる。

人の能力は掛け算だ。

こんなことを感じる機会があります。

■ Aさんの事例

どういう事かというと、

ある会社でAさんという人がいたとします。

仕事の経験はそこそこしている。良いところはあるんだけど、、、
何故か、社内でなかなか目が出ない。

しかし、、、あるとき人が変わったように活躍し始める。

それも周囲の予想を大きく越えて。。。

こういう事は、クライアントとの仕事において人が成長していくケースとして幾度か見てきました。

その都度「どうして、いきなり、、、」と、
いつも考えていました。

■ コンサルの現場における人材育成

自分もコンサルタントとして、クライアントの社員が力を発揮できるよう、勉強会や教育などで人材育成のサポートをします。

ただ教育をやったからといって、すぐに個人の能力が伸びていくかというと、、、それは分かりません。

能力が伸ばせるよう、基本的な知識の習得や気づきを促すためのプログラムを組み立て、成長の確率を上げることには貢献できていると思います。

現に教育を受けた後、なんらかの気づきがあって、仕事経験と自己学習を重ね、管理職や役員になられた方もいたりします。
「教育を受けた方の動機づけをサポートできた」と自身が感じられる機会です。

教育は、

●仕事をやる目的をハッキリさせる
●レベルアップにむけた次のステップを明確にする

など、行動に結びつけていく【動機づけ】になります。

しかし、それは一過性のモノに過ぎず、
その後の本人の意欲・努力の持続がカギになります。
本当に個人の能力が伸びるかどうかは、その人の仕事経験と知識の向上への意欲・努力によるところがやっぱり大きい、というのが自分の考えです。

しかしながら、
「どういう条件が獲得できれば、人の能力が伸びるのか」は自分自身のコンサルの仕事上の研究テーマでもあります。

■ 能力が伸びるメカニズム

いろいろと考えた結果、
「能力は掛け算なのだ」という結論となりました。

例として、Aさんの能力が下記で示されるとします。

【Aさんの能力】は【S1】と【S2】

 ※Sはスキル

仮に【S1】が「パソコン操作」、【S2】が「分析機器の知識と操作」とします。【S1】と【S2】のスキルは、これまでの仕事で獲得してきました。

この【S1】と【S2】により、分析機器から得られたデータを元に、パソコンを使ってデータ加工し、更に違う角度から分析・結論をだす解析力【S3】が生まれます。

【Aさんの能力】=【S1】×【S2】=【S3】

このように掛け算によって新たなスキルが得られます。
更にスキルを追加していくと、例えば【S4】を新たに獲得すれば、また別のスキル【S5】が生まれることになります。

【Aさんの能力】=【S3】×【S4】=【S5】

更に、、、

【Aさんの能力】=【S5】×【S6】=???

個人のキャパによって、身に付けられるスキルの数は差があります。それがたくさんあれば、掛け算の要素の数とそのパターンはどんどん増えていきます。

これが「能力が伸びるメカニズム」だと思います。

ということは、能力を伸ばすには、
「より多くのスキルを身につけた方が良い」ということになります。

■ 能力の開花とは?

では、人の能力が開花する=最大化する とはどういうことでしょうか?

一番重要なこととして、その人にとって「キーとなる固有のスキル」があり、それは「すべてのスキルを統合し、最大の力を引き出すスキル」だと考えています。

それは、人によって異なるモノです。
もしかしたら、それは「注意力」のように意識強化のスキルなどかもしれません。

ただ「個人ごとでそれがなんなのか?」
を特定する術はありません。

もしかしたら、いつの日か、それをも特定する方法論がつくられるかもしれません。

人の能力は掛け算で伸びる。その法則は人により固有のモノだ。

それが分かれば、
【本当の能力開発】ができるようになることでしょう。

株式会社シーアークスHP

No.201 会社の「人と仕組み」を考える

■ コンサルの現場にて、人と仕組みを考える

コンサルの仕事で、
会社の「人と仕組み」について考えることがよくあります。

A社 人間関係が良く、コミュニケーションが活発な会社(人の連携レベルの高さで業務が回っている会社)

B社 仕組みがしっかりしていて業務効率が高い会社

これらは、いずれも会社の特徴で強みと言えます。


ここで、
下図「コミュニケーション × 仕組み」を見てもらいます。

s-j1

どの会社でも、この2軸から「今の会社の状態がどうなのか」を見ると、図のどこかにプロットできると思います。

わが社は、

・仕組みのレベルが高いのか、低いのか。
・コミュニケーションのレベルが高いのか、低いのか。

ということが分かれば、客観的な見方で会社の状態を考えていくことができます。

多くの会社を見てきた経験から、

仕組み・コミュニケーションの高低は、組織の状態がどうなのか?

を示すと考えています。


s-j2


■ ①「コミュニケーション・仕組みレベルともに高い」

おおよそ「組織活性+効率化」が果たされています。

仕組みが整備されつつ、人を上手く活用しています。
また仕組みだけに振り回されることなく、コミュニケーションも活発にとられています。

このような会社は組織が活性化されており、もっと良い成果を上げるための様々なアイデアも出やすい状態になっています。

これは、目指すべき「理想の姿」と言えます。


■ ②「コミュニケーション・高、仕組み・低」

仕組みは十分ではありませんが、コミュニケーションは活発です。
人の力(マンパワー)で業務が回っている状態です。

マンパワーで成果が出ているのは良いことです。
仕事してる人もそれなりに満足感があると思います。

しかし、これは「特定の人・頼みで業務サイクルが回っている」状態でもあります。

重要なキーマンとなる人に何かあった場合、どうなるか?
一気に業務が滞ることになります、そのリスクが内在しています。


■ ③「コミュニケーション・低、仕組み・高」

仕組みは整っています。でもコミュニケーションは???

こういう会社は元気ないです。

仕組みのおかげで、業務遂行上のミスは少ないです。
ただ、業績の伸びは停滞しているケースが多いです。

また仕組みはお客さまのニーズに対応させ、常に改善・レベルアップしなければいけませんが、日常のコミュニケーションレベルが低いため、なかなか着手できていなかったりします。

人へのアプローチ・活性化策が必要です。


■ ④「コミュニケーション・低、仕組み・低」

両方とも低い、そんな会社あるのか?
と言う方もいるかと思いますが、、実際にあります。

規模が小さい会社は、どうしても属人的なコミュニケーション・業務の進め方になりがちです。
そういう会社は業績の伸びは頭打ち、もしくは低下の一途を辿っていることが多いです。

こういう会社の経営者の方がよく言うのは
「うちにはできる人がいないから、、、」です。

でも本当はできる人は存在するが、経営者が使い切れていないだけ、というケースが多いです。
経営者本人が、コミュニケーションと仕組みづくりに対する意識・知識ともに低いから、人も使い切れていないのが実態です。

このような会社がまずやることは「人づくり」です。

間違っても人のレベルを考えずに「仕組みづくり」から入ってはいけません。消化不良を起こすだけです。
「仕組みづくり」は、人をある程度育てた後にやることです。


■ まとめ

コミュニケーション・仕組みについて「これだけ強い方が良い」というのは厳密には定義できません。
しかし、それぞれが一定レベル以上にあることで、それぞれの相互作用がはたらくのだと思います。

良い会社ほど、仕組みとコミュニケーションのバランスが絶妙であるケースが多いと言えます。

コミュニケーション・仕組みがどの状態にあるか?

それをはかった結果、
「どのテーマから始めるか」は会社により様々です。

ただ会社が良くなる道筋は、必ず見つかるはずです。

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No.200 事実前提から価値前提の経営 ~勝ち残る会社とは?~

■ やっと200回です。

前段ですが、
このブログも、やっとのことで「No.200」です。
ココまで長かったです。

しばらくの間、書いてませんでした。

エネルギーを他のアウトプットにかけていて、サボりました。
※できる人はそれでも書くので、完全に言い訳ですが (笑)

これからは本当に「書きたくなったら書く」とさせていただきます。

また、200回を境として「です・ます」の表現にします。
理由は、過去の投稿を自分で見直していたら、
「なんか違和感ある」と思ったので 。

今回は「事実前提と価値前提」をテーマとします。

長い文章を読むのはイヤだという方は、ココからは読まない方が良いかもしれません。そこそこ長いので。

ただ、経営している人にとっては、大事なことを書いています。

また自分の今の考え方を示し、これまでのブログ200回までのまとめでもあります。

■ 世の中には赤字会社がたくさんある

本題に入る前に、「世の中のおおよそ7割は赤字会社」という事実を理解する必要があります。

● 赤字会社の実態を知る

平成24年2月時点で全国にある事業所数は「412万 8215箇所」です。

その内で「約4割強」が法人企業と言われており、
そうすると「法人企業数は約170万社」ということになります。
(個人事業主数は 約240万箇所)

「平成24年度分法人企業の実態(国税庁・会社標本調査)」でみると、赤字企業の割合・数は調査法人全体(253万5272社)の 70.3% 177万6253社 となっています。

2014年時点では「全体の約7割の会社が赤字」というのが現状です。

企業規模でみると、赤字会社の割合は異なります。

参考まで、2015年度の「大企業と中小企業の経常利益総額の差は、19兆円」とのことです。これはアベノミクス前のデータの約2倍の数字です。(2012年度 10兆円)
※全体の数字はプラスですが、この中に赤字会社が多く含まれています。

単純に考えると「以前の2倍に利益格差が拡がった」ということです。
収益力は、大手・中堅企業は高く、中小企業・小企業は低くなる傾向があります。

これでみると、中小企業・小企業の赤字会社率が高く、全体の構成比を占めていると思われます。

● 会社の倒産とは?

あまり考えたくはないキーワードですが、会社の倒産データを見ます。

2015年の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は8,812件、負債総額は2兆1,123億8,200万円です。
全体では負債1億円未満の構成比が71.7%(6,326件)を占めています。例年でも小規模倒産が多い傾向にあります。

例年、約9,000件ほど倒産します。
事業所総数を410万件とすると、倒産率は 0.2% です。
率で見ると小さいですが、件数では多いです。
毎年、事業所が約1万件できて、1万件弱が倒産・廃業します。

また社歴で見ると、創業から3年以内に約70%の会社が倒産します。
10社のうち3社しか生き残れないということです。
1年以内の倒産が30~40%、10年以内は約90%と言われています。

「社歴が浅い会社」の倒産数が多いのは例年変わりませんが、
最近では「老舗倒産」なんてケースもあります。
老舗企業とは社歴が100年とか長くやっているような会社です。

人間でいう「熟年離婚」に近い感じでしょうか?
要するに「マンネリになって飽きられて終わり」ということです。
会社の場合、飽きるのは客です。

倒産とは「資金ショートのときに資金調達先が無くなる」場合に起こります。

以上から分かることですが、

会社は簡単に倒産します。

何もやらなければ、特徴が無ければ、存在価値が無ければ、高い確率で倒産し、市場から消えます。

ただ赤字の会社が多くても、倒産数がそれに比していない理由は、金融機関・日本政策金融公庫などの融資により、資金ショートが回避されているからです。
現状の金融機関などは、積極的に融資をしてくれます。ただ市場全体が冷え込むと逆に消極的な姿勢になり、そのときに倒産企業数が増加していきます。

倒産企業数だけでは計れない、「実態は赤字会社が多い」という事実を理解することがポイントとなります。

■ 事実前提と価値前提の経営とは

さて、ココでやっと本題に入ります。

そもそもの言葉の説明をします。

●「事実前提の経営」について

「事実前提の経営」をやる会社は、
「事実を元にすべてに対応する」のが基本です。
「問題が起こった場合は改善してレベルアップしよう」という経営です。

これ自体は良いことです。何の異論もありません。
世の中の会社はほぼこういう会社です。

安定して既存顧客からの売上を確保できており、日常の業務レベルのマイナスな点を改善できれば、一定レベルの業績を上げることができます。そういう会社はこのスタイルで良いと思います。

ただその反面で「事実を元に対応している」が故に、

何も起こらなければ、顧客が(何かあっても)何も言ってこなければ、自社で異常を感知できなければ、どうなるか?

気がついたら会社がレベルダウンしていて経営状態が大変なことになる、という可能性もあります。

実は「老舗倒産」のケースは、ほぼこのパターンです。
「長い間、悪い意味でそのままで変化できなくなって倒産」という感じです。

「事実前提の経営」は、経営や管理を担う人の「事実や変化に対する感知センサー」が鋭敏にはたらくか、素早くアクションできるか、が重要なポイントになります。

●「価値前提の経営」について

「価値前提の経営」とは、「会社のあるべき姿」を細部まで描き、企業価値を高めていく経営です。

企業価値とは「会社の存在価値」を指します。

世の中にはモノが溢れています。

そのモノの選択肢が増えれば、おのずとユーザーが望むレベルは高くなります。

こうなると「客が価値を理解し、選ぶ」という流れが強くなります。

ということは、会社のやることは「選ばれるモノを提供する」ことになります。

ただココには大事なポイントがあります。
ただ「選ばれるモノを提供する」のみでは、多くのライバルとの競争となってしまいます。

ライバルとの競争を回避するには、
会社の固有の特徴を示す「独自性があること」がポイントになります。

まとめると、
「独自性のある商品・サービスを磨き、価値を提供し続け、顧客からその価値を認められることを全ての規範にする」

これを追求するのが「価値前提の経営」です。

「価値前提の経営」をやる会社は、新しい客の開拓や新しい市場の創造を果たしています。

参考 「組織と人の革新」

■ 事実前提と価値前提、どちらの経営スタイルが良いのか?

どちらの経営にも良い部分があります。

経営は現実を考えなければいけない部分が多いです。

また価値はその会社の特徴を示します。

ただ、この1点のみを考えれば答えは明らかになります。

「会社としてこれからも勝ち残ることができるか?」

この点を考えれば、おのずと答えは出ます。

価値前提の考え方ができる会社の方が、
「勝ち残る可能性が高い」と考えます。

事実前提から価値前提の経営へ

経営の基本的な考え方を価値前提にシフトすることで、
未来を創ることができる会社へと変化していきます。

以上から、自分は変化への強い意志を持った会社をサポートしたいと考えています。

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No.199 会社を継続するためのネクストステージを考える

●企業30年説を考える

「企業30年説」という言葉がある。

これは「技術革新などでビジネスモデルが古くなり、そのモデルの転換ができないと30年程度で企業寿命は尽きる」という説だ。

過去の成功・失敗の記憶に引きずられ、変化への対応が遅れると、ビジネスモデルは陳腐化していく。
時代に取り残されれば、高い確率で市場から淘汰される。

市場での成長・発展~衰退のサイクルを考えた場合、おおよそ30年くらいの周期となるケースが多く、それが「企業30年説」の由来である。

ただ、現在の世の中の変化のスピードをはかると、もはや「30年」というサイクルは過去の話となりつつある。

●勝ち残る会社とは

多くの会社がマーケティングを主体としたビジネスを進展させ、競争環境は更に激しいモノとなっている。

企業規模の大小の差で施策のポイント・レベルは違えど、各社にとってマーケティングは最も重要なツールとなった。
マーケティングに強い会社は、勝ち残るための最大の条件を有していると言ってよい。

その中でも最後まで残るのは、
「自ら意思を持って市場の変化をリードする会社」
「他がやらない分野で競争力を発揮し続ける会社」

いずれかだろう。

いずれにおいても「明確な意思を持つこと」は、会社が生き残るための共通のポイントである。

●会社のネクストステージを考える

・業界の未来の展望をはかり、会社の変化・対応の必要性を認識する。

これは、どの会社でもやっていることだ。

しかしながら、ココから2通りに分かれていく。

1.変化のために、現状の問題解決を継続することで会社のレベルアップをはかっていく

2.”会社の到達点=あるべき姿” をつくり、現状とのギャップを認識し、課題設定・アクションしていく

「どちらが勝ち残れるか」を考えると、2の方が可能性では高い。
何故なら「先を見る」意識がより強くなり、狙いと具体性が加わり、アクションの質が異なってくるからだ。
人間の行動は、「どの方向に、どれくらい進めばよいか」の見通しがハッキリしている方が具体化しやすく、到達する可能性も上がる。

“会社のあるべき姿” を考えることは、「会社を継続・発展させていくためのネクストステージを考えること」である。

このテーマは、業績が安定している会社ほどよく考えている。
業績が安定しているが故に、先の事を考える余裕があるとも言えるが、安定している会社ほど「未来永劫まで安定が続くことはない」ことを自覚している。

業績が不安定な会社は頭では分かっていても、実際のアクションは伴わず「それどころではない」「今がすべて」となりがちである。
このような会社が多いのも事実だが、その傾向が強すぎると「要注意」である。

冷静に考えてみても「ネクストステージを考え、活動している会社」の方が生存率は高くなるだろう。

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No.198 新人育成からみた会社の風土を良くするポイント

●新人の離職率の現状と会社が考えること

毎年4月に新卒の新入社員が入社し、そろそろ1か月が経過する。
少しづつ会社環境や仕事の理解が進んでいく頃である。

期待されて入社した新人はまだ何にも染まっておらず、”無限の可能性”を秘めている。
新人は白にも黒にもなる。「活かすも殺すも会社次第」というのは今も昔も変わらない。

今後の若年労働力の減少を考えれば、会社としては新人をキチンと教育して戦力にしていかなければいけない。

「新人の3年以内・平均離職率」の例年平均データを見ると、大卒で約3割、高卒で約5割、中途入社で約7割 である。(厚生労働省・統計)

データ上では離職は一定レベルで必ず起こることだ。
離職理由の上位は「給与への不満、仕事のストレス、将来性・安定性への不安」など個々で様々だが、総じると「理想と現実のギャップによる離職」ということが見えてくる。

世の中が複雑になっていることで、以前よりも”モラトリアム=自分に対する考え方が定まっていない”という新人が多くなっているのも事実であり、それも離職が増える理由である。モラトリアムの人は、”離職という結論を簡単に出したがる”傾向にある。

ただ、すべての会社がデータ通りかと言うと、そうではない。
入社3年経過しても離職はほとんどなく、新人の戦力化が当たり前にできている会社もある。

離職する新人の思考にも原因はあるが、離職率が高い会社の実態を探ると、

・新人が自分の範疇で勝手に理想を描いて、現実とのギャップを感じ、勝手に離職する。
→会社は後追い対応に終始するだけ、実際は何もできていない。

・会社全体に新人への指導方法の一貫した考え方がない。
→新人の不安を解消できないまま、時間のみが経過する。

といった「会社の新人への指導の考え方・方法の確立不足」という環境面の問題を原因とするケースも多い。

これを踏まえると、会社が新人に対して、

基本的な考え方と現実をキチンと教えて理解させ、ギャップを感じたとしても確実にフォローする

が指導上でやるべき重点ポイントである。

新人・初年度は、”仕事に対する考え方の基礎”を養い、”仕事のやり方の基本”を習得する期間である。

「仕事で通用する一人前のスキル」を習得させることは大事だが、「仕事を続けていくための考え方の基礎」も身につけさせないといけない。

●新人指導担当が念頭に置くこと

新人にとって、初年度からすでに「成長へのわかれ道」が潜んでいる。間違った道へ進まないよう気をつける必要がある。

新人が伸びるためには、まずは基礎能力を高めさせないといけない。

そのためには、
「最初に教えてもらう人が誰で、仕事人としての基礎をどう養うか」は大きなポイントだ。
大事なことをキチンと教えてくれる人に出会えれば良いが、そうでないと本人にとっては不幸である。

ということを、最初に教える人は肝に命じて、責任を持って新人指導にあたらないといけない。

●指導において大事にすべきポイント、大事にできないと会社はどうなるのか

仕事の「能力の構造」を考えてみる。 ※これは新人に限ったモノではない。
「能力の構造」は、以下の様に表すことができる。

<能力> = 【①知識】 × 【②技能】 × 【③態度】

①知識・②技能はどの会社でも仕事の基本スキルとして養わさせる。
しかし、新人の初年度で大事なのは、③態度能力 を高めさせることである。

ここが弱い人は何を教えてもほぼダメである。
例えば、いくら①②を高めても、③がゼロなら新人が望まれる方向で成長することはないということである。
態度能力に対する教育をキチンとやり切れていないケースが増えていると感じる。

態度能力を高めさせる上で、必ず教えるべき3つのポイントがある。

①必ず返事をさせる(挨拶も含む)
②整理整頓の基本とその本質を教える
③感謝すること、それを相手に示すことを教える

上記は、仕事の基本として根源的な行動のポイントである。新人にはこの3点のみキチンと教えるだけで、しばらくは伸びていく。ここに仕事の本質があるからだ。

表面的なコトのみ教え、その本質を教えない会社が多くなっている。
仕事の本質を大事にしない会社、そういう会社では上の3点を大事にしていないケースが多い。
そもそも先輩社員が疎かにしてやらないことを、新人がやるはずがない。

“悪い流れが定着してしまっている会社”が、良くなることは無い。

3点を新人にキチンと教えない会社が、終局的にどういう状態になるか、風土がどうなるか。

・一方通行のコミュニケーションが多く、情報発信した人へのフィードバックが極端に少ない = 組織で本当に必要とされるコミュニケーションができない。

・会社のモノや情報が整理できない、判断や優先順位づけなどができない。”考え方の整理整頓”ができる人が少なく、まとまらない。

・相手への敬意が薄く、人を大事にしない。→会社・組織が表面的で希薄な人間関係になる。

これは自分がコンサルの現場で見てきた会社の実態である。
※この段階からコンサルがスタートすることが多い。

こうなると、会社・組織は完全に「不活性」で、業績を上げることが難しくなっていく。

絶対に人の育成・指導を疎かにしてはいけない。

●新人指導を風土づくりの機会とする

新人の指導に戻る。
もし上記のような会社で、新人が働くとしたら、それはかなり不幸なことである。ただ現実には増えている。
先輩社員など上の人間が手本となり、大事なことを示せなければ、新人を育てるのはまずムリだ。離職率が悪くても、改善は進まないだろう。

“新人を育成すること”は”会社の風土をより良いモノにする、刷新する”機会と捉えないといけない。
新人がまともに育ち、会社の戦力が上がる会社は、人を育てる考え方と方法論が定まっており、その環境が整っていると言える。

その考えをつくり、キチンと環境整備に取り組むことで、”人を活かせる良い風土の会社”が実現することだろう。

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