ナレッジマネジメント」タグアーカイブ

No.211 会社の情報データを活かすにはどうするか

■ 会社の仕事における情報データ活用の現状

「探す、確認する」
「データ入力する」「計算する」「転記する」
「情報・データをまとめる」
「評価/判断する」
「仕事の状況を把握する」(進捗・期限)

これらは、日常業務の中で、よくある作業です。

管理システムなど仕組みが充実している会社では
「最適な方法が具現化」され、業務・作業は効率化しています。

しかし、その一方でシステム化が充分にされていない会社では、
業務・作業のほとんどをマンパワーに頼ることが多いのが現実です。

システム化がある程度、進んでいる会社であっても、
本当の意味で「情報データを上手く活用できている会社」は、それほど多くはありません。

■ その実態はどうなのか?

では、実態としてはどういう状況なのか?
コンサルタントとして、様々な会社をみてきた経験から問題点をまとめてみました。


● 情報データの活用範囲が狭い

財務や業務管理の基幹システムはあるが、規定の範囲のみデータ化・活用しているだけ。
実際は、システム範囲外・管理外の仕事は無数にあり、その情報管理は、担当者個々のやり方・技量に委ねられている。
例)「作業A」をやるとき、「資料・基準B」を確認・判断し、「結果C」としてまとめる(記録する)など
情報データの活用範囲は狭く、限定的になっている状況。


● 特定の個人だけが情報データを持っている=共有されていない

様々な管理がされ、多くの情報・データは存在するが、それら個別情報・データは収集・連結・活用されている訳では無い。
特定の個人しか認識できておらず、実質は情報・データが眠っている状態。


● 会社全体・職場でデータ収集・活用する発想が無い

・業務効率を上げるという目的・目標が明確に定められておらず、実際のアクションにはつながっていない。
・よく考えれば、データ収集・活用の意義や必要性はあるのだが、それに気づくのは問題発生の機会に遭遇した場合のみ。


■ 情報データを活用していくには

下記に、情報データを上手く使えている状態を示しました。

これらを機能させる大事なポイントは、

(1) 情報データ管理の実態をつかむこと
(2) 情報データ活用の目的と活用範囲を再定義すること
(3) 情報データ活用方法を検討・具体化すること

です。

情報は会社の資産であり、情報管理・活用を上手くやることで、改善や効率化の土台も強くなります。

「情報データを活用すること=会社を強くすること」

です。


▶ 情報データ活用サポート

▶ 株式会社シーアークス HP

No.206 会社における『知の継承』

■ 知の継承とは

会社において「知の継承」は大きなテーマです。
ここでいう「知」とは、

(1)会社の文化・習慣(良いモノ)
(2)会社の価値をつくる固有の知識・情報・ノウハウ
(3)会社を運営するための固有の方法

を指します。その「知」を次の世代に上手く継承していくことで、会社は永続発展していくことができます。

■ 知識・ノウハウの伝達(継承)における問題点

 これまでは、一つの会社に長く勤め上司や先輩の背中を見て仕事の仕方を学ぶということが一般的でした。1社で勤めあげるという前提があるからこそ、長期的な期間で知識や経験を共有するという方法が成立していました。

 ただ、人材の流動化・多様化が進み、経営スピードが速くなった現代において、このような従来型の企業文化や知識の共有方法に限界が来ています。
情報の伝達やコミュニケーションは、“小さな規模の組織・同一メンバー間のまま”なら、比較的・容易に進みます。
しかしながら、組織規模の拡大や人事異動・世代交代など組織上の変化があると、コミュニケーションの齟齬(そご)や業務上の障害が発生しやすくなります。
「人から人へ伝えられ(=継承され)、企業内に蓄積されるべき価値ある情報」が、表に出てこなくなるケースが増えてきています。
それに加え、競合関係の複雑化、扱う製品・サービスの増加、顧客・販売ルートの多様化などにより、企業で扱う情報の質・量・スピードは変化(増加)しています。対応力がある会社は生き残り、そうでない会社は淘汰されます。

「いかに情報を集め、スムーズに仕事を進め、成果を出すか」 は企業にとって大きな課題ですが、それに反して 「情報を活かすための 組織の基盤(組織力・人材力・仕組み)が低下している」 というのが現実です。

■「知の継承」が進まない その根本原因 ~伝える側の思い込みと現場の真実~

「知の継承」が進まない根本原因を考えると、そこには「伝える側の誤解(思い込み)」「現場の真実(本当の問題点=障害)」があります。

(1)経験を積めば知の継承が出来る(だろう)
誰でも教えれば習得できる(だろう)

〔現場の真実〕
① 類似経験がないと内容を理解するのに時間がかかる
② 正しく伝わったかどうか、判断が難しい

(2)熟練者(伝承者)は、積極的に知の継承を支援・協力してくれる(だろう)
〔現場の真実〕
① 省人化・業務効率化の影響で、熟練者に若手を育成する時間が確保できない
(情報も蓄積されていない)
② 熟練者は暗黙知を言語化し、適切に教える方法を知らない

(3)若手(継承者)は、意欲的に知見・ノウハウを吸収する(自分のためなら、、、やるだろう)
〔現場の真実〕
① 当人は「何が本当に必要なのか」が、実は分かっていない。
② 当人は「教えられて当然」という感覚で受身の姿勢が多い。

(4)仕組み(データベース、業務マニュアル)を作れば、後はうまくいく(だろう)
〔現場の真実〕
① 仕組みを作っただけでは情報蓄積も不十分で利活用もうまく進まない。
② 継承に必要な情報は個人毎に異なる

(5)職場は、知の継承の取り組みを理解し、サポートしてくれる(だろう)
〔現場の真実〕
① 継承より、職場の業務遂行を優先させる (上司が最大の阻害要因になってしまう)
② 能力主義による保身が働き、十分な指導が実施されない(知の継承が停滞する)

■ ナレッジマネジメントを進める

ナレッジマネジメント とは、
「企業や従業員個人が蓄積してきた経験や知識・情報を明らかにし、企業全体で共有・可視化(見える化)することで、企業の力を高めていく経営手法」 のことを指します。

単なる情報管理とは異なり、効果的に知識・情報を収集することで、それを「会社の価値情報(ナレッジ)」と再定義し、知恵(新たなノウハウ)に変えていくことが目的です。

ナレッジマネジメントでは、以下を進めていきます。


(1)自社にとって価値を生む、必要とされる知識・情報を再定義する

(2)その知識・情報を可視化(見える化)する

(3)知識・情報を蓄積する仕組みをつくる

(4)知的情報として活用する

(5)それらすべてをマネジネントし、組織力を向上させる


「価値を生む知識・情報」を再定義・蓄積し、従業員がスムーズに活用できるようにすることで、企業の競争力を高める効果が期待できます。

■ ナレッジマネジメントの成果物


(1)業務の内容に応じて「知識を形式化することのメリット」を明確にする

(2)「手順」と「判断基準」にわけて業務内容を分析し、当人も意識していない重要な行動や姿勢を発見する

(3)特定の個人が持つ知識を形にすることで、「属人化の防止」と「知識・情報の継承」につなげる

(4)形式化した知識をもとに業務マニュアルを作成し「新たな知識・ノウハウの創出」を狙い、データベースなどで更新を行う


これからも勝ち残るため、会社における「知の継承」は生命線であり、会社の価値を高めていくための最重要キーワードです。

株式会社シーアークス HP
ナレッジマネジメント研修