人の能力は掛け算だ。
こんなことを感じる機会があります。
■ Aさんの事例
どういう事かというと、
ある会社でAさんという人がいたとします。
仕事の経験はそこそこしている。良いところはあるんだけど、、、
何故か、社内でなかなか目が出ない。
しかし、、、あるとき人が変わったように活躍し始める。
それも周囲の予想を大きく越えて。。。
こういう事は、クライアントとの仕事において人が成長していくケースとして幾度か見てきました。
その都度「どうして、いきなり、、、」と、
いつも考えていました。
■ コンサルの現場における人材育成
自分もコンサルタントとして、クライアントの社員が力を発揮できるよう、勉強会や教育などで人材育成のサポートをします。
ただ教育をやったからといって、すぐに個人の能力が伸びていくかというと、、、それは分かりません。
能力が伸ばせるよう、基本的な知識の習得や気づきを促すためのプログラムを組み立て、成長の確率を上げることには貢献できていると思います。
現に教育を受けた後、なんらかの気づきがあって、仕事経験と自己学習を重ね、管理職や役員になられた方もいたりします。
「教育を受けた方の動機づけをサポートできた」と自身が感じられる機会です。
教育は、
●仕事をやる目的をハッキリさせる
●レベルアップにむけた次のステップを明確にする
など、行動に結びつけていく【動機づけ】になります。
しかし、それは一過性のモノに過ぎず、
その後の本人の意欲・努力の持続がカギになります。
本当に個人の能力が伸びるかどうかは、その人の仕事経験と知識の向上への意欲・努力によるところがやっぱり大きい、というのが自分の考えです。
しかしながら、
「どういう条件が獲得できれば、人の能力が伸びるのか」は自分自身のコンサルの仕事上の研究テーマでもあります。
■ 能力が伸びるメカニズム
いろいろと考えた結果、
「能力は掛け算なのだ」という結論となりました。
例として、Aさんの能力が下記で示されるとします。
【Aさんの能力】は【S1】と【S2】
※Sはスキル
仮に【S1】が「パソコン操作」、【S2】が「分析機器の知識と操作」とします。【S1】と【S2】のスキルは、これまでの仕事で獲得してきました。
この【S1】と【S2】により、分析機器から得られたデータを元に、パソコンを使ってデータ加工し、更に違う角度から分析・結論をだす解析力【S3】が生まれます。
【Aさんの能力】=【S1】×【S2】=【S3】
このように掛け算によって新たなスキルが得られます。
更にスキルを追加していくと、例えば【S4】を新たに獲得すれば、また別のスキル【S5】が生まれることになります。
【Aさんの能力】=【S3】×【S4】=【S5】
更に、、、
【Aさんの能力】=【S5】×【S6】=???
個人のキャパによって、身に付けられるスキルの数は差があります。それがたくさんあれば、掛け算の要素の数とそのパターンはどんどん増えていきます。
これが「能力が伸びるメカニズム」だと思います。
ということは、能力を伸ばすには、
「より多くのスキルを身につけた方が良い」ということになります。
■ 能力の開花とは?
では、人の能力が開花する=最大化する とはどういうことでしょうか?
一番重要なこととして、その人にとって「キーとなる固有のスキル」があり、それは「すべてのスキルを統合し、最大の力を引き出すスキル」だと考えています。
それは、人によって異なるモノです。
もしかしたら、それは「注意力」のように意識強化のスキルなどかもしれません。
ただ「個人ごとでそれがなんなのか?」
を特定する術はありません。
もしかしたら、いつの日か、それをも特定する方法論がつくられるかもしれません。
人の能力は掛け算で伸びる。その法則は人により固有のモノだ。
それが分かれば、
【本当の能力開発】ができるようになることでしょう。