■ コンサルの現場にて、人と仕組みを考える
コンサルの仕事で、
会社の「人と仕組み」について考えることがよくあります。
A社 人間関係が良く、コミュニケーションが活発な会社(人の連携レベルの高さで業務が回っている会社)
B社 仕組みがしっかりしていて業務効率が高い会社
これらは、いずれも会社の特徴で強みと言えます。
ここで、
下図「コミュニケーション × 仕組み」を見てもらいます。
どの会社でも、この2軸から「今の会社の状態がどうなのか」を見ると、図のどこかにプロットできると思います。
わが社は、
・仕組みのレベルが高いのか、低いのか。
・コミュニケーションのレベルが高いのか、低いのか。
ということが分かれば、客観的な見方で会社の状態を考えていくことができます。
多くの会社を見てきた経験から、
仕組み・コミュニケーションの高低は、組織の状態がどうなのか?
を示すと考えています。
■ ①「コミュニケーション・仕組みレベルともに高い」
おおよそ「組織活性+効率化」が果たされています。
仕組みが整備されつつ、人を上手く活用しています。
また仕組みだけに振り回されることなく、コミュニケーションも活発にとられています。
このような会社は組織が活性化されており、もっと良い成果を上げるための様々なアイデアも出やすい状態になっています。
これは、目指すべき「理想の姿」と言えます。
■ ②「コミュニケーション・高、仕組み・低」
仕組みは十分ではありませんが、コミュニケーションは活発です。
人の力(マンパワー)で業務が回っている状態です。
マンパワーで成果が出ているのは良いことです。
仕事してる人もそれなりに満足感があると思います。
しかし、これは「特定の人・頼みで業務サイクルが回っている」状態でもあります。
重要なキーマンとなる人に何かあった場合、どうなるか?
一気に業務が滞ることになります、そのリスクが内在しています。
■ ③「コミュニケーション・低、仕組み・高」
仕組みは整っています。でもコミュニケーションは???
こういう会社は元気ないです。
仕組みのおかげで、業務遂行上のミスは少ないです。
ただ、業績の伸びは停滞しているケースが多いです。
また仕組みはお客さまのニーズに対応させ、常に改善・レベルアップしなければいけませんが、日常のコミュニケーションレベルが低いため、なかなか着手できていなかったりします。
人へのアプローチ・活性化策が必要です。
■ ④「コミュニケーション・低、仕組み・低」
両方とも低い、そんな会社あるのか?
と言う方もいるかと思いますが、、実際にあります。
規模が小さい会社は、どうしても属人的なコミュニケーション・業務の進め方になりがちです。
そういう会社は業績の伸びは頭打ち、もしくは低下の一途を辿っていることが多いです。
こういう会社の経営者の方がよく言うのは
「うちにはできる人がいないから、、、」です。
でも本当はできる人は存在するが、経営者が使い切れていないだけ、というケースが多いです。
経営者本人が、コミュニケーションと仕組みづくりに対する意識・知識ともに低いから、人も使い切れていないのが実態です。
このような会社がまずやることは「人づくり」です。
間違っても人のレベルを考えずに「仕組みづくり」から入ってはいけません。消化不良を起こすだけです。
「仕組みづくり」は、人をある程度育てた後にやることです。
■ まとめ
コミュニケーション・仕組みについて「これだけ強い方が良い」というのは厳密には定義できません。
しかし、それぞれが一定レベル以上にあることで、それぞれの相互作用がはたらくのだと思います。
良い会社ほど、仕組みとコミュニケーションのバランスが絶妙であるケースが多いと言えます。
コミュニケーション・仕組みがどの状態にあるか?
それをはかった結果、
「どのテーマから始めるか」は会社により様々です。
ただ会社が良くなる道筋は、必ず見つかるはずです。