仕事の成果のプロセスを思案していると、
いつの間にか「アイデア欠乏症」や「思考停止」になっていることがある。
そのときの精神状態にもよるが、その人の持つ成功・失敗体験によるところがある。
成功・失敗体験は人の発想にプラス・マイナスの影響を及ぼす。
「成功体験があるから良い」
「失敗体験があるからダメだ」
ということではない。
人の体験は成功であれ、失敗であれ、その人がその体験をどう捉えているかが大事であり、
その後の仕事にプラス・マイナスのどちらの影響も及ぼすということである。
ここで考えなければいけないのは、
「自身の体験が、果たして今の自分の仕事にプラスになっているのか」
ということである。
「以前はこのやり方で成功した」
「以前はこのやり方をやってしまったが故に失敗してしまった」
これはこれで経験則から学ぶということでは良い。
成功したならば、成功パターンになる。
失敗したならば、失敗しないための対策をする。
ただ、人の体験はそれ自体が新たな発想の邪魔をする場合がある。
過去に成功したことは、現在では「方法論が陳腐化」しているかもしれない。
過去に失敗したことは、現在では「方法論が確立した基本セオリー」になっているかもしれない。
本来、問われるべきことは
「これから成功するためには何が良いのか」
「いま成功するためには何をやるべきか」である。
そのためには、フラットに原点・現在をみて「シンプルに考える」ことが必要であると考える。
ここに辿り着くためには、自身の体験は一度リセットに近い状態にして、
可能な限り「客観性」を獲得すべきである。
発想力は経験に基づくものと言えるが、経験を超えたものでもあると考える。
発想の神様がいるとするならば、
実は「シンプルな思考を持っている人」に降りてくるのでないか。
その意味でも「シンプルに考える」ことは大事なポイントである。