No.5 リーダーの資質


「リーダーの資質」というものがあります。

「どういう人がリーダーに向いているか」ということです。

その反対に「リーダーに向いていない人」もいます。

その両面の視点で、
「どんな人が、リーダーになるべきか?」
を整理していきます。

まずは「リーダーに向いていない人」から見ていきます。

● リーダーにしてはいけない人の3タイプ

=リーダーに向いていない人

ドラッカーいわく、
以下は「リーダーにしてはいけない人の3タイプ」です。


1. 強みよりも、弱みに目を向ける者

2. 何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者

3. 真摯さよりも、頭の良さを重視する者


これを知ることで、良いモデルとの対比ができるようになります。

「リーダーに向いていない人」はどういうタイプなのか?
3タイプを考えていきます。

1. 強みよりも弱みに目を向ける者

部下の悪いところばかりに目を向ける人は、部下の真の能力(強み)を見つけることは不得手のようです。

ただ、部下の行動面の「問題点の指摘」「失敗への注意・アドバイス」は場面として必要なときがあります。

日本のマネージャーの育成のやり方は、どちらかと言えば「部下の弱みを減らす」というアプローチの傾向にあると思います。

確かに「弱み」を減らすことで、平均的な力を持つ部下は増えます。
ただ一方で突出した「強み」を発揮する人材は増えません。

部下の立場に立てば、「強み」を伸ばしてくれるリーダーの元で仕事ができる方が、より成長できて長い仕事人生においても良いはずです。

2. 何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者

上の人にはペコペコ、下の人にはガミガミ…というタイプを想像すれば分かりやすいと思います。

実際には、上の人に気に入られ評価され、リーダー・マネージャーに任命されるケースが多いのも事実です。

しかしながら、こういう人が本当に「人の上に立つ良いリーダー・マネージャー」になるのかというと、自分の経験の中では低いと考えます。

「何が正しいか」とは、「本質はどうか」「成果をつくるには本当は何が大事なのか」を考えることです。

ビジネスでは、本質を常に追求していかなければいけません。

人に関心をはらっている人よりも、本質追求に集中していく人の方が、いい仕事をしているケースが多いです。

3.真摯さよりも頭の良さを重視する者

「頭の良さ」は仕事を進めるには有利なポイントです。
しかし、その人がリーダーとして、人と上手く関わりチームの最大の成果を出している、とは別の話です。

過去にリーダーとして、メンバーに対して「頭の良さ」ばかりを求める人がいました。
そのリーダーは、内心では「チーム内で自分が一番賢く、仕事もできる」と自負しており、他者をバカにしているところがありました。
メンバーに対しても、自分が満足するレベルで仕事を完璧にやることを求めますが、リーダーの満足レベルにはずっと届きません。

果たして、この考え方で良いチームをつくっていけるでしょうか?

案の定、このチームは人間関係がギスギスしていき、最終的にチームが破綻しました。

「真摯さ」は仕事において「人から信用されること」に通じます。

良いチームとは、お互いを信頼しつつ、個が最大の力を発揮できるチームです。

「人から信用を得る真摯さ」に重きをおく人の方が、きちんと部下の指導もしつつ、チームワークを良くし、結果的に良いチームをつくる事ができるでしょう。

● リーダーに必要な資質

= リーダーに向いている人

「リーダーにとって、根本的な資質は真摯さである」

(ドラッカー「マネジメント」より)

ドラッカーは、「リーダーの資質」について、この1点のみに集約して述べています。

「真摯さ」とは、「人やモノゴトに対する姿勢の良さ」を指します。

姿勢の良さとは、例えば「時間を守る」「ルールを守る」「約束を守る」や、「熱意がある」「真剣に取り組む」「責任を果たす」などを指します。

また、これは「一貫性」という言葉でも示せます。

●「一貫性」とは

○ 自身が仕事の中で実現したい目的やイメージが明確にあって、その情熱にしたがって、チームやメンバーの力を純粋に引き出そうとしている一貫性。

○ 人間として、仕事人として人格が乖離することなく、一貫しているということ。

○ 向き合う相手によって態度や主張、話す内容を変えない、志を持っている、という意味で一貫しているということ。

リーダーの示す「一貫性」により、部下はリーダーを心底から信じ、リーダーの導きに対して力を集中して発揮することができるようになります。

● リーダーの資質を磨く

リーダーなら、このテーマについて、考えつくし、磨いていくことが求められます。それが「真のリーダーシップの発揮」につながっていきます。

また企業においては「リーダーの資質が高い人」を見極めて、然るべきホジションに任命していくことで、成長・発展の可能性が高まっていくことでしょう。

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