No.4 リーダーシップの発揮スタイル


リーダーシップを発揮するには条件が大事だと前に述べました。
No.2 リーダーシップとは

その条件がすべて整っていれば、リーダーは本当に成果を出せるのでしょうか?

事例をもとに考えてみます。

ある会社で新リーダーが選ばれました。

このリーダーはそれまでの個人成績は素晴らしく、本人も自信がありました。その点がリーダーに選ばれたポイントであり、周囲からも適任であると見られていました。

しかしながら、リーダー就任後しばらくたっても、一向にチームの成果レベルが上がらず、まとまりも悪いようです。

リーダーの指示命令は的確で、発言も常に正しいと思われました。※正しいというよりは「間違ってはいない」という感じです。

求められるとされる「リーダーの条件」は整っていました。

どうして、上手くいかないのでしょうか?

担当したチームはそれなりのキャリアを持ったメンバーで構成されていました。
一定レベルの業務スキルは持っており、ある程度の成果は出せます。ただこれに安堵してチームは停滞していました。

新リーダーは指示命令スタイルで「発破をかける」やり方を取りました。
いわゆるトップダウン型リーダーシップです。
これが逆効果でチームメンバーが抵抗感を感じ、萎縮してしまいました。こうなると成果は上がるどころか、更に低下していきます。

リーダーシップを発揮する上で大事なポイントがあります。

それは「組織・チームの状態を正しく評価できるか」です。

組織・人材やチームは「成熟度」ではかることができます。
「成熟度」は業務レベル・連携レベル、コミュニケーションレベルなどで評価していきます。
そのレベルにより「リーダーシップ発揮のスタイル」を選択していくことが必要となります。

成熟度・低 = トップダウン+フォロー・サポート型

成熟度・中 = トップダウン+ボトムアップ型

成熟度・高 = ボトムアップ+信任型

事例のチームは「成熟度・中レベル」と考えられます。

リーダーは「チームの成熟度レベルの評価」と「リーダーシップ発揮のスタイル」を間違え、ミスマッチが起こっていました。

本来のステップを考えると、

①意見収集 = 状況を把握する
②課題の共通認識 = チームとして認識
③成果目標の再設定・共有 = 新たな方向づくり
の流れをつくり、

そこから「トップダウン+ボトムアップ」でリーダーシップを発揮するべきだったのです。

「自身のスタイルを変えられない」ことが問題につながるケースは多々あります。

最初は成果を出していても、チームの変化に合わせて自身のスタイルを変えられず、
いつの間にか失敗していくリーダーも数多くいます。これはリーダー自身がリーダーシップを発揮して組織を引っ張るどころか、組織・チームの成長レベルアップの足枷となってしまうパターンです。

成果を積み上げれば、組織・人材の状態=成熟度は必ず上がるはずです。

組織・チームの成果レベルを変え、更に上を目指すのなら、リーダーが自ら変わることも必要となります。

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