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No.203 サッカーからみた 強い組織・チームづくり

◼ 競技スポーツの進化はスゴい

競技スポーツは常に進化しています。

オリンピックなどの世界大会では、常に新記録が生まれます。
「この記録は、しばらくは破られないのでは。」という記録も、ある日アッサリと破られたりします。

現在のスポーツでは、人間の動作や試合展開などのデータをコンピューターで解析し「上手くいくための最適な解を導きだす」という科学的な方法論がほとんどのスポーツで導入されています。

以前までの「相手との単純な勝負」ではなく、試合前から研究合戦がスタートします。
その流れで、記録を伸ばすため、勝つための新たな理論が次々と生まれていきます。身体能力強化の効率的なトレーニング方法など、実践できるように常に研究されています。

◼ サッカーの組織・チームづくりを見る

自分はサッカーが好きで、関心を持ち始めた10代の頃からこれまで、サッカーというスポーツの進歩の過程をずっと見続けています。(サッカーは経験者ですが、プレイヤーとしてはダメです。)

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例えば、過去の最強チームが、現在の上位チームと対戦しても、ほぼ相手にならず負けます。
現在の強いチームは、プレッシング・バス効率・ポゼッションの考え方を駆使し「ボール支配率」を上げるなど、高度なレベルで試合をコントロールします。過去の最強チームはおそらく何もできないまま負けることになるでしょう。

それくらい「サッカーの質・レベル」が違います。

サッカーも科学です。
相手を研究しつくし、相手の強みを消す、相手の裏をかく、試合を支配する、など様々なシミュレーションを試合前に行い、チームのフォーメーションや戦い方に反映させます。

サッカーには、「戦術」と「ディシプリン(Discipline)」という言葉があります。
この二つの要素がチームの特徴を決めます。


戦術とは「戦い方」です。

例えば、あるチームの戦術=戦い方として、

●フォーメーションは4・4・2(DF4人、MF4人、FW2人)で、守備を厚くして全体のバランスをとる。
※(他-例)3・5・2 中盤を増やし、試合をコントロールする。サイド攻撃をより強くする。

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●攻撃は相手のサイドを崩すことを重点とする
 試合中、攻め方を絞る。重点でやり続けることで、最後は成功確率の話になる。※ただ攻撃のやり方が偏りすぎると、相手に対応されて無効になっていく。

●守備はゾーンプレスを主とする。
 特定のエリアで複数人数をかけて組織的に守る。相手ボールの際に組織的なプレスにより、パスコースを限定させ、ボール奪取する。

など。


ディシプリン(Discipline)とは、チームとしての「共通理解」あるいは「約束事」です。

チーム戦術を機能させるための「約束事」を緻密かつ具体的に決め、試合内で選手が実践していきます。

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例えば、具体的には、

●フォワードが前線でプレッシャーをかけ、敵陣内てボール奪取、最小回数のバスでボールを動かし、ゴールを狙う。

●相手が速攻をかけてきたら、ボールの出所を3人の守備をかけて潰し、速攻のスピードを遅らせる。

●自陣で相手のボールを奪った後は、必ずワンタッチで回し、素早くリスクを回避する。

など。


サッカーは、「戦術」でチームの戦い方の大きな方向を定め、「ディシプリン(Discipline)=約束事」で機能させるのが、基本プランとなります。
「戦術の適合度」と「約束事の徹底レベル」がサッカーの質・レベルとなり、「勝利という結果」につながるかどうかを左右していきます。
※ただ、相手の戦術が自チームの上をいけば、途端にプランは崩れます。

以上により、チームは「組織化」され、その戦術・約束事のもと、試合は展開していきます。

◼ 会社の組織・チームづくりを見る

コンサルという仕事の視点から、サッカーの「組織・チームづくり」はビジネスの世界に通じるモノがあると考えています。

それは、会社における「組織・チームづくり」と同じです。

もし、会社の組織・チームとして

●機能が低下している
もしくは、
●機能不全に陥っている

が問題になっているならば、

上記の観点で重ね合わせて見ていくと、
「何が欠けているのか」が理解できると思います。

コンサルの経験上、
組織・チームの機能に問題を抱えている会社の場合、

●戦い方(方針)が不明確
●約束事(ルール・規律)が機能していない(もしくは無い)

というパターンが多いです。

それにより結果として、「組織・チームづくりが上手くできていない」ということになります。

ただここが分かれば、

●戦い方(方針)を明確に定め伝える
●約束事(ルール・規律)を見直し、メンバーに徹底させる

という対策をとれば良いということになります。


※補足、会社では、
●戦略 マーケティング・ターゲット、選択と集中
●戦術 戦い方=戦略展開具体策、方針
●戦闘 戦うルール・決まり事=客への具体的な対応
となります。


モノゴトを別の角度・視点から多面的に見ると、これまで見えていなかった事が、ハッキリと、いろいろと、理解できる事が多いです。

「サッカーから見る~」は自分の視点の補強には、意外と役立ってます。※こういう視点は、まだ他にもあります。

株式会社シーアークスHP

No.143 サッカー選手名鑑②「フランツ・ベッケンバウアー」

フランツ・ベッケンバウアーは、ドイツ史上最高の選手に挙げられ、「リベロ」を確立させた先駆者である。

「リベロ」とは、イタリア語で「自由な人」を意味する。

「リベロ」は、ディフェンスのポジションを基本とする。
ただ、そのポジションにとらわれず、機をみて攻撃にも果敢に参加し、自軍のゴール前から相手のゴールまで駆け抜ける。

サッカー1試合における選手の平均的な運動量は約11kmである。
ただリベロは守備をベースに攻撃参加もあるため、平均運動量を大きく上回る。
リベロをやり遂げるには「絶対的な体力」と「高度な判断力」が必要とされる。

ベッケンバウアーはリベロを完璧に体現し、なおかつ全てのプレーヤーを意のままに操った。

その姿から「ピッチ上の最高権力者=皇帝」と呼ばれるようになり、バイエルンでもUEFAチャンピオンズカップ優勝を果たした。

1974年に西ドイツ・ワールドカップ決勝で、ライバルだったヨハン・クライフと「西ドイツvsオランダ」で戦った。互いの強みを駆使して激しくぶつかり合った。

オランダのトータルフットボールも素晴らしかったが、皇帝ベッケンバウアーに完璧に統率された西ドイツが試合を制した。

トータルフットボールは先進的なシステムを確立した例だが、リベロは特殊なポジションを実現した例であり、この試合をもとによく比較される。

ベッケンバウアー以上のリベロは、未だにいないとも言われている。

ベッケンバウアーは偉大である。

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No.134 サッカー選手名鑑「ヨハン・クライフ」

ハリル・ジャパン発足記念(勝手に)

サッカー選手名鑑をシリーズ(不定期)とする。
(これも勝手に)

記念すべき第1回は、
空飛ぶオランダ人と称され、1970年代~80年代に活躍した「ヨハン・クライフ」である。

ヨハン・クライフは、オランダの名門チーム・アヤックスで、17才の若さでトップチームに昇格。
オランダ代表としても、それまでの常識を覆すような素晴らしい試合展開・活躍で、今も語り継がれるスーパースターである。

アヤックスのリヌス・ミケルス監督は、クライフのサッカー選手としての類いまれなる才能に惚れ込み、クライフ中心の特殊なスタイルでチームづくりを行った。

それが「トータルフットボール」である。
※ミケルス監督はその生みの親ということになる。

トータルフットボールは「30年先の未来のサッカー」と言われ、革新的なシステムだった。

当時はポジションごとで役割を固定し、スペシャリストでチーム編成するのが主流だった。

トータルフットボールは全く違う発想であり、その特徴は、

・全員攻撃・全員守備の3・4・3のフォーメーション
・選手は状況判断により、有機的にポジションチェンジを繰返し、最適なフォーメーションを形成する

トータルフットボールの理論はイタリアで生まれたが、実現するのは不可能と言われていた。

実現のための条件は、

1.攻守・全てのポジションができるオールラウンダーでメンバー構成する

2.全ての選手が戦術眼・状況判断力に優れている

3.リーダー(現場監督)による高度なレベルでの統率・コントロール

優秀な選手だけで編成しても、全体のパランスはかえって崩れ、強いチームにはならない。

1・2の条件は整えられたが、3の存在が確保できないでいた。

しかし、クライフの出現により、それが実現された。それも、かなり高度なレベルで。

クライフの率いるオランダ代表は、当時のサッカーのレベルを凌駕した。

一人の天才が「不可能を可能に変える」ことを現実のモノとし、オランダはワールドカップでも快進撃で勝ち抜いた。
残念ながら、最後の決勝でドイツに破れはしたが、ドイツをギリギリまで追い詰めた。

クライフのような、全てを一変させる選手は稀である。

でも個人的には、クライフのようなレベルの選手がまた現れてほしいと思っている。

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