◼ 競技スポーツの進化はスゴい
競技スポーツは常に進化しています。
オリンピックなどの世界大会では、常に新記録が生まれます。
「この記録は、しばらくは破られないのでは。」という記録も、ある日アッサリと破られたりします。
現在のスポーツでは、人間の動作や試合展開などのデータをコンピューターで解析し「上手くいくための最適な解を導きだす」という科学的な方法論がほとんどのスポーツで導入されています。
以前までの「相手との単純な勝負」ではなく、試合前から研究合戦がスタートします。
その流れで、記録を伸ばすため、勝つための新たな理論が次々と生まれていきます。身体能力強化の効率的なトレーニング方法など、実践できるように常に研究されています。
◼ サッカーの組織・チームづくりを見る
自分はサッカーが好きで、関心を持ち始めた10代の頃からこれまで、サッカーというスポーツの進歩の過程をずっと見続けています。(サッカーは経験者ですが、プレイヤーとしてはダメです。)
例えば、過去の最強チームが、現在の上位チームと対戦しても、ほぼ相手にならず負けます。
現在の強いチームは、プレッシング・バス効率・ポゼッションの考え方を駆使し「ボール支配率」を上げるなど、高度なレベルで試合をコントロールします。過去の最強チームはおそらく何もできないまま負けることになるでしょう。
それくらい「サッカーの質・レベル」が違います。
サッカーも科学です。
相手を研究しつくし、相手の強みを消す、相手の裏をかく、試合を支配する、など様々なシミュレーションを試合前に行い、チームのフォーメーションや戦い方に反映させます。
サッカーには、「戦術」と「ディシプリン(Discipline)」という言葉があります。
この二つの要素がチームの特徴を決めます。
戦術とは「戦い方」です。
例えば、あるチームの戦術=戦い方として、
●フォーメーションは4・4・2(DF4人、MF4人、FW2人)で、守備を厚くして全体のバランスをとる。
※(他-例)3・5・2 中盤を増やし、試合をコントロールする。サイド攻撃をより強くする。
●攻撃は相手のサイドを崩すことを重点とする
試合中、攻め方を絞る。重点でやり続けることで、最後は成功確率の話になる。※ただ攻撃のやり方が偏りすぎると、相手に対応されて無効になっていく。
●守備はゾーンプレスを主とする。
特定のエリアで複数人数をかけて組織的に守る。相手ボールの際に組織的なプレスにより、パスコースを限定させ、ボール奪取する。
など。
ディシプリン(Discipline)とは、チームとしての「共通理解」あるいは「約束事」です。
チーム戦術を機能させるための「約束事」を緻密かつ具体的に決め、試合内で選手が実践していきます。
例えば、具体的には、
●フォワードが前線でプレッシャーをかけ、敵陣内てボール奪取、最小回数のバスでボールを動かし、ゴールを狙う。
●相手が速攻をかけてきたら、ボールの出所を3人の守備をかけて潰し、速攻のスピードを遅らせる。
●自陣で相手のボールを奪った後は、必ずワンタッチで回し、素早くリスクを回避する。
など。
サッカーは、「戦術」でチームの戦い方の大きな方向を定め、「ディシプリン(Discipline)=約束事」で機能させるのが、基本プランとなります。
「戦術の適合度」と「約束事の徹底レベル」がサッカーの質・レベルとなり、「勝利という結果」につながるかどうかを左右していきます。
※ただ、相手の戦術が自チームの上をいけば、途端にプランは崩れます。
以上により、チームは「組織化」され、その戦術・約束事のもと、試合は展開していきます。
◼ 会社の組織・チームづくりを見る
コンサルという仕事の視点から、サッカーの「組織・チームづくり」はビジネスの世界に通じるモノがあると考えています。
それは、会社における「組織・チームづくり」と同じです。
もし、会社の組織・チームとして
●機能が低下している
もしくは、
●機能不全に陥っている
が問題になっているならば、
上記の観点で重ね合わせて見ていくと、
「何が欠けているのか」が理解できると思います。
コンサルの経験上、
組織・チームの機能に問題を抱えている会社の場合、
●戦い方(方針)が不明確
●約束事(ルール・規律)が機能していない(もしくは無い)
というパターンが多いです。
それにより結果として、「組織・チームづくりが上手くできていない」ということになります。
ただここが分かれば、
●戦い方(方針)を明確に定め伝える
●約束事(ルール・規律)を見直し、メンバーに徹底させる
という対策をとれば良いということになります。
※補足、会社では、
●戦略 マーケティング・ターゲット、選択と集中
●戦術 戦い方=戦略展開具体策、方針
●戦闘 戦うルール・決まり事=客への具体的な対応
となります。
モノゴトを別の角度・視点から多面的に見ると、これまで見えていなかった事が、ハッキリと、いろいろと、理解できる事が多いです。
「サッカーから見る~」は自分の視点の補強には、意外と役立ってます。※こういう視点は、まだ他にもあります。