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No.9 リーダーのチームづくり② ~チームの価値観を揃える~

● 価値観とは?

「チームの価値観を揃える」ことは、チームづくりには欠かせません。

一般的な意味として、
【価値】とは、何かを評価するときに「有・無」で結論づけられます。「善・悪」「良い・悪い」「正しい・間違っている」「好ましい・好ましくない」などで表されます。

【価値観】は、「何に価値があると認めるか」その根底となる、モノの見方、モノゴトを評価・判断する基準となる考え方、を指します。

2人の人間がいたとして、
「価値観が合う・合わない」ということがあります。

これは「気が合う・合わない」に近い意味ですが、一緒に何か同じことに取り組むときには、それが大事だったりします。

プライベートでは、意識的に「価値観が合う人同士だけ」にすることもできます。「好きな人とだけ。嫌いな人とは付き合わない」ということです。

● 会社・チームにおける価値観

しかし、会社の仕事においては同様にはいきません。
嫌いな人と一緒に仕事をしなければいけない場合もあります。

同じ会社では、その会社の事を理解し、そこで働きたいと考える人が集まっているはずです。本来ならば。。。

でも、、、実際のところ、そこは少し違います。

在籍している人は、ほぼ同様な視点で会社を理解しつつも、それぞれの「働く理由」「意欲」などは個々で異なり、バラバラです。

「会社への理解レベルからバラバラ」ということもあります。こういう場合は、コンサルの経験上では「なかなか大変な会社だな」と評価しています。

まとめると「同じ会社の人なら、価値観の底辺は近い可能性が高いが、考えや認識そのものは違う」ということです。

ちなみに、会社の価値観を示す代表的なモノは「経営理念」や「行動指針」です。

● チームづくりは【価値観を揃える】ところから

会社でチームを組んで仕事を始めるとき、
高い確率で「メンバーの価値観はバラバラの状態」からスタートします。
メンバーそれぞれが【良い・悪い】【好き・嫌い】【正しい・間違ってる】の規準がバラバラで、共通の目標も無い状態からスタートするということです。

社内の部門・チームが「上手く機能していない、連携できていない、期待されるパフォーマンスが発揮されていない」などはよくあります。こういうのは、外部のコンサルタントの立場から見てもすぐに分かる部分です。

チーム活動で上手くいかない根本原因で多いのは「チームの価値観が揃っていない」ケースです。

上手くいかないのは、ある意味では当たり前の事です。
そもそもの考え方がバラバラなんだから。

これを変えていきたい場合、何から始めれば良いか。

やはり【チームの価値観を揃える】ところから、始めなければなりません。

ココで言う「チームの価値観を揃える」とは、

●チームで大事にしたいこと(考え方、ルール、規律)
●そのチームが目指すもの(なりたい姿、目標)
●チームが必要としている人(こんな人でいてほしい、ココに期待したい)

をメンバー個々にキチンと伝え、
【チームの価値判断の基準を揃えていく】ということです。

この作業を疎かにすると、チームはまとまりません。
共通の目的・目標を掲げても、達成するためにチームが一丸となることもないでしょう。

また、チームの価値観を揃えることは
「リーダーにしかできない仕事」でもあります。

● チームの価値観を揃えるカギは【対話】

具体的にどうするか、ですが、
最もシンプルで効果的な方法は【対話を繰り返す】ことです。

【対話】とは、チームリーダーから一方的に話すことではありません。【対話】という形式を取り、双方の考えを話し合い、理解し合うことです。

話をするのがそもそも面倒だ、と考えるリーダーやメンバーが増えているのは事実です。しかし、その考えでは、チーム力があがることは絶対にありません。

また、この取組にはリーダーの「伝える技術や執念」も必要です。
※手っ取り早いやり方でどうにかしたい、と考えている人は、その考え方自体を改めないといけません。

【対話】の進め方のポイントは「可能な限り、共通体験の時間をつくる」ことです。それにより、お互いの考え方・仕事のやり方の特徴を理解できます。またそれに関連する【対話】も重ねることができるはずです。

チームワークのレベルが更に成熟していくと、「アイコンタクトで以心伝心」できたりします。
これは、対話を繰り返してやっとできることです。

チームの成果レベルを上げたいのなら、
「チームの価値観を揃える」ことに、力を入れることをオススメします。

チームの価値観を揃える = チームの最大出力を上げる

ことだと考えています。

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No.7 リーダーの一言から人は動く ~リーダーのマネジメント~

■ リーダーにもマネジメントが求められる

リーダーという立場であっても、自分のチームを持てば「マネジメント」が必要となります。

「マネジメント」とは、
「目標達成に向けて、ヒト・モノ・カネ+情報を活用し、成果を出す」ことです。

今回は、イオンなどサービス業で行われている
「今日からできるマネジメント」を紹介します。

■ 事例・リーダーの一言マネジメント

あるお店にて、

1日中、忙しくスタッフが働いています。

Aさんはフロアチーフ = リーダーです。

あるとき、Aさんに「お店で新しい取組を始めて、定着させるというミッション」が与えられました。
その内容は、店を良くするためにはとても大事な事です。

Aさんは毎日忙しく、スタッフとのコミュニケーションやミーティングなどにもそれほど時間を割けません。

最近では、若い人など色々なスタッフが増えて、指導にはそれなりにエネルギーがかかります。

Aさんは考えました。

新たな取組を進めるため、その具体策をうまく徹底させるには、どうしたらよいのか?

Aさんは「一言マネジメント」をやることにしました。

● ある日、AさんとB君というスタッフがバックヤードですれ違います。

〈Aさん〉B君、この前説明したこと、今日はやった?

〈B君〉(しまった。。。やってない。)やってません。

〈Aさん〉やってね。

〈B君〉はい、すぐにやります。。。

● 次の日も、、、

〈Aさん〉B君、今日はアレやった?

〈B君〉やってません。。。(うわー。この人、しつこいなー。)

〈Aさん〉やってね。

〈B君〉はい、やります。。。

● それから、しばらく経って、、、

〈Aさん〉B君、やった?

〈B君〉今日はもうやってます。(言われる前にやってますよ)

こうして、新たな取組は店内に定着していきました。
定着レベルを確認し、Aさんは言うのを少しづつ抑えていきました。

■ マネジメントのポイント

Aさんは、毎日これを繰り返しました。言い方はキツイものではありません。ただB君にとっては、顔を会わせるたびに言われる毎日でした。

Aさんは、言い方はソフトにするよう気をつけながら、
「一言を言い続けること」にこだわりました。
一言を言い続けることで「スタッフへの意識づけと行動を促すこと」を緩やかに進めていきました。

リーダーがスタッフに何か新しいことをやらせる。
スタッフの側からすれば、それまでやっていないことは「余分なこと」です。
ただ「やっていないこと」でもずっとやれば、最後は「普通のこと」になります。
※ 部下・スタッフの人数が多いチームの場合、リーダーから指示のもと部下・スタッフ同士の「今日はやった?」という【毎日・相互チェック・声かけ】が有効です。

そこにリーダーがこだわる。

リーダーがやるチームのマネジメントの真髄とは、こういうことだと思います。

「こだわること」は、リーダーが人を動かすための最大のポイントの一つです。

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No.6 リーダーに求められる資質 ~部下が考える、リーダーになってほしい人~

どんな人にリーダーでいて欲しいか?
部下が考える・リーダーに求められる資質

について、部下の目線からということで、参考までまとめてみました。

■ どんな人にリーダーでいて欲しいか?

1.適切な仕事の配分

部下一人ひとりの力量を把握し、ムダ・ムラ・ムリが無いように仕事を適切に配分する。
バランス感覚を働かせ、うまく部下が仕事できるように考える。


2.細かな気配り

①気づく力
いろいろな事に小まめに気を配る。部下の様子にも気を配る。
部下は、そのような上司の方が付いていきやすい。
②公平なスタンス
公平なスタンスは部下からの信用を勝ち取る。


3.全体を見渡す広い視野

①観察力
仕事の割り振りや進捗状況の把握ができる。
②広い視野
部下の状況と上の状況もしっかりと見ることができる。
③全体を把握する力
全体の動きを把握し、必要な箇所・タイミングでサポートできる。
④ビジョン・方向性を決める能力
全体をみて進むべき方向を決める。
先行きの可能性や仕事の最終到達点を見せる。


4.責任感・フォローする力

①重要な場面で責任をとる
「導くのもリーダー、責任をとるのもリーダーの役割だ」という認識がある。
②フォローアップ
チーム力を高めるため、メンバーを育てるためにフォローする。
③決断力
重要な局面で責任を持って決め、行動できる実行力がある。


5.聞く力・指示する力

①聞く力がある(傾聴力)
相手の言う事を良く聞き、指示や調整ができる。
②柔軟さがある
状況を柔軟に捉えることができる。
③的確な指示ができる
的確かつ分かりやすい指示ができる
④コミュニケーション力がある
グループ内の雰囲気づくり、他部署との折衝ができる。
良好な関係づくりができる。
⑤動機づけができる
人をヤル気にすることができる。


6.教育する・成長させる力

①褒め上手+育て上手
部下のモチベーションを上げる事ができる。
②長所を見抜く力
人の短所にとらわれず、長所に目を向けることができる。
③部下の成長サポート
部下を成長させ、チームを強くする。


7.牽引力

①リーダーシップ・統率力
先を示し、メンバーを引っ張ることができる。
自らが引っ張っていくという姿勢がある
②チームを盛り上げる力
チームでやっていこうという雰囲気にする。
③交渉力・調整力
上長・他部署との交渉・調整をはかり、ミッション推進上の障害を取り除く


8.人間的な魅力

①求心力
人の意を集めることができる。
②信頼性
信頼できる=人は着いていく。
③人格者であること
「この人と働きたい」と思わせる人望がある。
④周りから慕われる+上から信頼される
両方とも兼ね備えていることがベスト。
⑤カリスマ性
その人に魅力があれば、人はついて行きたくなる

■ 部下が考える、リーダーに求められる資質

部下が考える、リーダーに求められる資質とは?

どんな人にリーダーでいて欲しいか?

部下の視点から意見の全体をまとめると、
リーダーに求められる最も重要な力は、

「仕事を人に上手に割り振る能力」

と言えるようです。

どんな部下にも、得意・不得意なことがあります。

部下から見て、リーダーが単純に平等・均等の量の仕事を部下に分配しているだけのように映ると、その存在価値は無いようです。

大事なのは、部下の長所や適性をよく見抜き、適材適所で仕事を割り振る能力です。
組織内の調整力がリーダーに求められています。

ここを実際にやるには、


1.部下一人ひとりの状況を捉え、細かく調整・気配りする視点

2.全体を大きく捉え、先を見据える視点

が求められます。

まとめていくと、


「リーダーには、部下への思いやりと優しさを忘れず、先行きを見据えて皆に指針を示し、ドッシリと構えている器の大きさが欲しい」
「リーダーの方向性がブレていなければ、迷わずついていける」

というのが、部下の本音の意見としてほぼ一致しているようです。

リーダー本人の持つ資質は重要です。

それに加えて、


周りから認められる、特に部下から支持される

というのも大事なことです。

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No.3 リーダーに求められる「3つのスキル」

前回は「リーダーシップ」をテーマとしました。

リーダーシップ発揮の条件として、
「3つの必要スキル」があると述べました。

それは、
1.コンセプチュアルスキル〔CS〕
2.ヒューマンスキル〔HS〕
3.テクニカルスキル〔TS〕
です。

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リーダーシップ発揮のためにはどれも大事なスキルであり、その詳細を伝えていきます。

1.コンセプチュアルスキル〔CS〕

これは「概念化・企画立案スキル」を指します。
仕事を進めるためにはコンセプトを定める必要がある。コンセプトとは概念や目的を意味します。
コンセプトを明確にすることで「何を目的としてやるのか」を定義し、説明することができます。
これができる人はモノゴトの方向づけが上手く、人はそれに導かれる。何もナシでは人はなかなか動きません。
リーダーとして大きな組織を動かす場合は、最も必要とされるスキルです。

2.ヒューマンスキル〔HS〕

いわゆる「人間力」であり「対人対応力」とも言えます。
人を動かすためのコミュニケーション力・人間関係構築力などがこのスキルの中核を成します。
またHSはCSと対になっている。どちらか一方を欠くと、人を動かすことにより労力が必要となります。
カリスマ性が高いとされるリーダーはHSが高いことが多いです。

3.テクニカルスキル〔TS〕

「業務遂行スキル」を指す。このスキルは本来は社員クラスで最も必要とされるモノです。
リーダーが部下に信用されるポイントを考えると「 人間力〔HS〕 × 実績 」による部分は大きくなります。
となれば、TSが高い方がよいということです。
トップクラスのTSを有していれば、より説得力があります。
※ただマネジメント力に長け、人を動かし成果を出せるリーダーもいたりする。必ずしもTSが高いことがリーダーの絶対条件という訳ではありませんが、「高い方がより良い」ということです。

この「3つのスキル」をバランスよく高めることで、素晴らしいリーダーシップを発揮することができようになるくでしょう。

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