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No.212  「0を1にする」 「1を10にする」 事業における展開

事業展開において
「0を1にする」 や 「1を10にする」「10を100にする」 というステップがあります。

それらは、まったく別次元のことを指しており、
それらを区別できるかは「事業が上手くいくかどうか」の分かれ目です。

■「0を1にする」とは、 「1を10にする」 「10を100にする」 とは

3つのステップとポイントには、次の違いがあります。


■ 事業展開において

〔0→1〕アイデアから事業の芽を創る
〔1→10〕事業の 「型」 を創る
〔10→100〕「型」をビジネスモデルに発展させ、より拡大・効率化する

「〔0→1〕アイデアから事業の芽を創る」のが最も難易度が高いステップ です。日頃から広範囲の視点・角度で様々な情報をキャッチしている必要があります。
対象となる事業の市場性(市場規模、成長段階、成長性)の見極めが必要です。
また、自社が条件を備えているか、競争できるのか、不足しているなら、条件を獲得するには何が必要か、を考える必要もあります。


■ ステップ別の検討課題・ポイント

〔0→1〕アイデアから、どのやり方が良いか、検証や見極めをする
〔1→10〕他者でも再現できるようにする
〔10→100〕より効率的にできるよう、やり方をブラッシュアップする

本来、新事業は「 ハイリスク × ハイリターン 」です。
狙い目のピントが合っていて、やり方が正しければ、大きな利益を得る可能性は上がります。しかしながら、間違えれば大損失になります。一番マズいケースは「よく考えずに新事業を始め(安易な考えのまま)盲目的に進める」ことです。新事業への取組み例で、このケースはよく見かけます。高確率でほぼ失敗しています。そういう意味でも、検証・見極めが大事です。


■ 暗黙知 or 形式知

〔0→1〕暗黙知の特定(何が暗黙知なのか)
〔1→10〕暗黙知を形式知に変える(可視化、定義)
〔10→100〕形式知のブラッシュアップ・進化

暗黙知:個人の固有の知識。モノの見方、ノウハウ、問題意識など。目に見えない形であり、他者と共有されていない。
形式知:言葉や図解・数式で説明ができる知識

暗黙知→形式知に変える ことは、先の展開を明るくします。
もし、形式知にできないようなら、事業そのものが具体化されません。


■ ステップ別のゴール

〔0→1〕型をつくるかどうか 決める
〔1→10〕型を完成させる(再現性の確立)
〔10→100〕型をレベルアップ、拡大・効率化させる (組織で対応)

ステップごとのゴールが異なります。型をつくることは成功条件です。
どんな事業にも「成功の型=ビジネスモデル」があります。


■ 誰が導くのか

〔0→1〕起業する人
〔1→10〕事業をやる人
〔10→100〕経営する人

「新しいコトを始められる人」は、会社の中でも稀な存在です。
最初の時点では、その人の周囲には一人も味方がいません。
「始める→続ける」条件は〔強い精神力があること〕です。
その後のステップでも、必要なポイントではありますが、特に〔0→1〕のステップでは絶対的な条件です。


■ 誰の力が必要か

〔0→1〕天才(発想力がある人、モノゴトを追求できる人)
〔1→10〕秀才(努力を続けられる人)
〔10→100〕凡人(会社を理解・行動できる多くの人)

通常の会社には、天才はいません。秀才はいたりします。
事業展開で “天才が絶対に必要” という訳ではありません。
問題となるのは「他者とは異なる意見を持つ人、そのアイデアが 会社に許容されない」 ということです。各社は「個人の発想・アイデアを拾い上げ、どう活かすか」を考えるべきです。それができれば、後のステップに事業を展開していけます。
〔1→10〕のステップで大事な事は「続けること」です。「続けられる人」が最重要の存在です。


■ まとめ

全体をまとめていくと、以下となります。


〔0→1〕のステージ

■ アイデアから、どのやり方が良いか、検証や見極めをし、事業の芽を創る
■ 天才や起業家が活躍する
■ 暗黙知を特定する
■ 再現性のため「型をつくるかどうか」を決める


〔1→10〕のステージ

■ 事業の型を作り、他者にも再現できるようにする
■ 秀才や事業家が活躍する
■ 暗黙知を形式知に変える
■ 型を完成する(再現性を確立する)


〔10→100〕のステージ

■ 型を事業モデルに発展させる
■ 凡人が活躍し、経営者が統率する
■ 形式知のブラッシュアップ・進化をはかる
■ 組織で対応し、より拡大・効率化する


現在では、既存事業の収益力低下の理由から、
会社全体の見直しをはかり「新事業で新たな収益の柱をつくりたい」と考える会社が増えています。

どんな事業にも、成功の要素・条件 があります。そこを見極めることと、人が「どういう考え方で、どんな関わり方をするのか」が大きなポイントです。
「0を1にする」「1を10にする」「10を100にする」  成功のステップをつくることが大事です。

▶ 株式会社シーアークス